天皇陛下の意志は誰のものか?

勤労奉仕の4日目です。

 

 

 

 

 

 

昨日、天皇陛下に御会釈を賜りました。

「御会釈」というのは、
勤労奉仕に参加した人に
天皇陛下がいらっしゃって
ご挨拶いただけるというものです。

 

 

 

 

 

 

 

天皇陛下も御公務もあるので、
いつもお会いできるとは限りません。

しかし、スケジュールにお時間があれば
お会いいただけます。

勤労奉仕に参加するという条件がありますが、
一般の国民が天皇陛下にお会いできる仕組み
があるなんて、日本っていい国だなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

そうは言っても、気楽には会えません。

お会いできる場所は、皇居内の建物で、
警備も万全に行われます。

陛下にお会いする前には、金属探知機で
身体検査をされます。

そして、
部屋で整列をして、リハーサルをします。

 

 

 

 

 

 

 

4つから5つのグループが一緒に
陛下に御会釈をいただきます。

各グループのリーダーが代表して
陛下にご挨拶をします。

その時の注意事項として
「陛下はご高齢です。
長くなると、体にご負担がかかりますので、
聞かれたことだけ答えて下さい。
という指示を受けます。

 

 

 

 

 

 

 

そんな注意事項を受けながら、
15分ぐらいすると、
陛下が車でいらっしゃいます。

いよいよ、緊張の「御会釈」です。

テレビで拝見しているそのままの
天皇陛下と皇后陛下が目の前まで来られます。

そして、各リーダーと会話を交わされます。

 

 

 

 

 

 

 

各リーダーにも、
いろんな方がいらっしゃいます。

緊張のあまり、声にならず、
陛下と会話にならない方もいらっしゃいます。

そんな時でも、
陛下はじっとお待ちになります。

また、逆に、舞い上がって
話しすぎてしまう方もいらっしゃいます。

そんな時でも、
陛下は楽しそうにお話をされます。

 

 

 

 

 

 

 

 

そういう姿を見ると、
陛下はリーダーとの会話を楽しんで
いらっしゃるのではないか?
と思ったりします。

だとすれば、宮内庁の職員の方も
「聞かれたことだけ答えて下さい」
などと言わずに、
「陛下と楽しく話してください」
と言えばいいのに・・・と思ってしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

こうやって、相手を気遣うあまり、
本人の意志とは違うことが起こってしまう
のだと思いました。

本人の意図しないところで、
意思決定が行われる・・・

これが、
「空気で決まる」というものだと思います。

なんとなく、悪いイメージです・・・

 

 

 

 

 

 

 

しかし、よく考えてみると、
これはこれで良いのではないか?
と思うのです。

天皇陛下が自分から
「忙しいので、御会釈は短くして欲しい!」
とは言えないですね!

陛下は常々「国民とともに」と
おっしゃっているわけですから・・・。

「一貫性」が崩れてしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

実際に、天皇陛下も、皇后陛下も
本心から「国民とともに」と思って
いらっしゃると思います。

車でお帰りになる際も、
車の中から見えなくなるまで、
身を傾けて手を振って下さいましたから・・・

 

 

 

 

 

となると、誰かが陛下のために
御会釈の時間をコントロールしなければ
ご公務に支障をきたします。
(分刻みのスケジュールですから・・・)

つまり、宮内庁の職員の方は
嫌われるのを覚悟で、陛下のために、
「聞かれたことだけ答えて下さい」
と言っているのです。

 

 

 

 

 

 

 

陛下が楽しそうにしていたのだから、
話しかけてもいいじゃないか?
というのは、表面的な話でしかありません。

 

 

 

 

 

 

 

陛下には、他にも大切なお仕事があって、
我々に割ける時間は限られています。

その限られた時間で我々は満足をすべき
なのです。

でも、それを陛下は言えないのです。

だから、宮内庁の職員の方が
ある意味、悪者になってくれているのです。

つまり、天皇陛下の「一貫性」を守るために
宮内庁の職員の方がその矛盾を吸収しているのです。

 

 

 

 

 

 

 

まさに「阿吽(あうん)の呼吸」

それは、高度なコミュニケーションであり、
今の時代には、あまりにも分かりにくい
のではないか?とも思います。

 

 

 

 

 

 

 

この分かりにくさを残せるかどうか?が
次の世代のテーマになると思います。

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