大人でいることがイヤになる

日大のアメフト部の
ゲガをさせた選手本人が
会見を開きました。

 

顔を出さないと謝罪にならない・・・

 

20歳の若者が
大勢の報道陣を前に姿を現しました。

 

非常に勇気ある行動だったと思います。

 

 

ニュースで会見の様子を見ましたが、
嘘をついているように見えません。

 

彼から見た真実を語ったのだと
思います。

 

それにしても、
これに泡を食ったのは
内田監督と日本大学でしょう

 

内田監督が、先日、
「精神的に落ち込んでいる」
と言っていた選手が、
立派に会見をしていました。

 

会見の直後、
「コメントはない」と言っていた
日本大学は、夕方になって、
「コミニケーション不足が原因だった」
とのコメントを発表しました。

 

ここにきても、日本大学は、
悪質なタックルを指示していないと
言い張っています。

 

20歳の若者のほうが、
よっぽど立派に見えます。

 

現状にしがみついている大人のほうが
みっともなく見えます。

 

しかし、
これは、これで、仕方がないのです。

 

 

その理由を説明したいと思います。

 

客観的にみて、大学は、
認めるしかない状況にあるのに
どうして認めようとしないのでしょうか?

 

これは、
人は必ずしも合理的に判断しない
という「行動経済学」で説明ができます。

 

人は変化を嫌います。

 

人は損失による苦痛を必要以上に恐れます。

 

目の前にある利益と
失う不利益を比べた時に、
同じものであっても、
不利益のほうが大きく見えるために
決断することが難しくなります。

 

通常、同じ利益、不利益だとすると
失うほうが1.5~2.5倍のインパクト
があると言われています。

 

例えば、
30,000円を得られて感じる喜びが
10だったとすると、
30,000円を失って感じる不快感は
15~25に感じられるということです。

 

 

これを
「現状維持バイアス」といいます。

 

「現状維持バイアス」は、
人間としての本能です。

 

人間の本能として、
人の意識に刻み込まれているものです。

 

人間の歴史は、飢餓との歴史でした。

 

今でこそ、
食料を備蓄できるようになりましたが、
かつては、食料が無くなることは、
死を意味していました。

 

一度手にした獲物は失うことは
あってはならないことです。

 

 

だから、今でも、
「自分が持っているものを手放すな!」
と本能が命じているのです。

 

これが「現状維持バイアス」です。

 

これは、20歳の若者も同じです。

 

今回でいうと、
記者会見をすることで失うものと
記者会見をしないことで守られるものを
比べてみると、
記者会見をすることで失うことのほうが
大きく感じられるはずです。

 

将来的にどうなるか分かりませんが、
記者会見をした事実は、
一生、彼につきまといます。

 

それはそれでリスクです。

 

それでも、若者が決断できたのは、
日本大学が持っているものよりも、
若者が持っているもののほうが、
はるかに小さいからです。

 

 

失うものが2倍だとして、
持っていものが、10と10億では、
失うものの数が違います。

 

10であれば、20です。

 

しかし、10億であれば、20億です。

 

つまり、20と20億では、
失う覚悟が全く違います。

 

20の若者のほうが覚悟がしやすいのです。

 

20億の大学の方は簡単に諦められないと思います。

 

つまり、大人が現状にしがみつくには、
それなりの理由があるということです。

 

悲しいですけど、これ、現実ですね!

 

 

 

今日も最後まで読んでいただいて
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