「地面師」

「地面師」

 

積水ハウスが55億円を騙し取られた
というニュースで、
初めて、この言葉を知りました。

 

なんでも、
土地の所有者になりすまし、
売買契約を交わし、
代金まで支払わせるという
見事な手口です。

 

こんなの、騙せるんだ~!
と思いましたが、
どうやら話は違うようです。

 

 

所有者になりすました女は
土地の権利書のカラーコピーしか
見せていない・・・

 

打ち合わせの際、本人が
誕生日を間違えているのに
気付かない・・・・

 

本当の土地の所有者から
「売買契約は結んでいない」という
内容証明郵便がきているのに
「怪文書」だと相手にしない・・・

 

いくつも気付ける点があった
にもかかわらず、
見逃して、
まんまと騙されてしまいました・・・

 

なんで、
こんな簡単に
騙されてしまうのでしょうか?

 

 

そうなんです。

 

積水ハウスぐらいの会社です。

 

社内にも
「この取引は絶対に怪しい!」
と思っていた人もいたと思うのです。

 

しかし、
言えなかったのだと思います。

 

私は、これが、
本当の問題だと思います。

 

この取引が怪しいと思ったら
言えばいいのです。

 

でも、言えない・・・

 

社長が現地確認をし、
会社を代表するようなプロジェクトに
ケチをつけるなんて・・・

 

そんなことをしたら、
社内での評価が下がるかもしれないし、
出世にかかわるかもしれません。

 

そんな「リスク」を犯すぐらいなら、
見て見ぬふりをしたほうが
いいだろう・・・

 

55億円です。

 

見て見ぬふりはダメでしょう!
という話です。

 

 

どう考えても、
非合理的な意思決定が
合理的に行われてしまう・・・

 

人の合理性には限界がある。

 

これが「限定合理性」です。

 

あとになって、
冷静に考えてみたら
「なんでそんなことしたのかなァ〜」
と思うようなことでも、
その時は「正しい」ことをしている
としか思えないのです。

 

いつも話をしている
ルービックキューブの話です。

 

 

自分には常に見えない面が
常に存在していることを
認識しておくことが大事です。

 

トップがそういう姿勢でいると
部下はトップと違う意見を
言いやすくなります。

 

そして、その意見が、
自分の見えない面を教えて
くれることになるのです。

 

つまり、
「限定合理性」を克服するには、
常に聴く姿勢でいることが
必要なのです。

 

しかし、考えてみれば、
騙されちゃうということは、
人の話を聴きすぎてしまっている
わけです。

 

それなのに、
騙されないように
人の話を聴きましょう!
というのも、
矛盾している話なのかも
しれません・・・

 

しかし、耳の痛い話にこそ、
自分にとって必要な話が含まれている
ということは意識しておいたほうが
良いのかもしれません。

 

今日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございます。

 

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