全市民46万人分の個人情報が入った
USBメモリーが一時紛失した問題で
尼崎市の稲村市長は
自身の期末手当195万円を
全額カットすることを明らかにしました。
尼崎USB紛失
市長、夏のボーナス195万円全額カット
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF29CVN0Z20C22A6000000
このニュースを見て
ちょっと違和感を感じたので、
それが何か?について
書いてみたいと思います。
今回の問題は、
情報管理のルールを守らずに
USBを持ち出した上、
お酒を飲んでカバンを紛失したことと
再委託が禁止されているルールを
守らなかった委託先の問題です。
たしかに、
市で起った問題は市長の責任です。
しかし、
起こったあらゆる問題の責任を
いちいち、市長が取っていたら
報酬なんていくらあっても
足りないのではないでしょうか?
そもそも、
今回の責任の取り方は、
委託ルールを見直すことと
そのルールを徹底することで、
同じような問題を起こさないよう
にすることだと思います。
今回は、情報が漏れた形跡はなく、
直接的な被害は出ていないのですから・・・
しかし、稲村市長によると
市民に対する行政への信頼を
大きく失墜させたことに対する反省と、
再発防止に向けた強い決意、姿勢を
目に見える形で示すために
賞与をカットしたとのことです。
賞与をカットしたところで、
気持ちは伝わりますが、
失った信頼の回復と再発防止の徹底が
実現するのでしょうか?
私には、
市長が自らに罰を与えることで、
許しを請おうとしているように見えます。
今回、たまたま、
賞与の時期だったので、
賞与をカットできました。
しかし、
これが、賞与の時期でなかったら、
どうするつもりだったのでしょうか?
何か、場当たり的なものを感じます。
私は、罰を与えることで
許しを得るというのは、
むしろ、問題を見えなくしてしまう
ように思います。
賞与をカットしたんだから
もうこれ以上騒がないで!って・・・
炎上を恐れるあまり、
上手に反省することが目的に
なっていないでしょうか?
失った信頼の回復と
再発防止の徹底が目的なら、
市長は変に収めようとしないで
炎上させた方がよかったのでは
ないでしょうか?
一番、改善すべきは
委託先の企業であり、
IT業界の下請け体質です。
市長が目立ってしまったので、
これらの問題に
注目が集まらなくなってしまいました。
市長としては、
世論を味方につけて、
これらの問題に手を付けて欲しかった
と思うのです。
賞与をカットすることで、
誠実な方というのは伝わりましたが、
もっと、したたかでも
よいのではないか?
と思いました。
この辺が違和感の正体だと思います。
何をやっても批判される立場ですから
市長は大変だと思います。
そうか!分かってきました!
もう1つの違和感が・・・
それは、反省を求める空気です。
ワイドショーなどで、
市長をつるし上げて、
反省を求める空気感が嫌だった
のかもしれません。
それに応じてしまった市長
反省は大事です。
しかし、
反省は自分でするもので、
求めるものではありません。
反省を求めると
上手に反省することが
目的となります。
本当に大事なのは、
そこから何を学び何をどう変えるか?
です。
そのためには
どうなりたいか?という
「ビジョン」を示すことが大事です。
人はやりたいことしかやりません。
反省からは
前に進む力は生まれません。
「ビジョン」を目指すことで、
変えることができるのだと思います。
信頼を失い自信をなくしている
尼崎市の職員に
前を向いて進める「ビジョン」が
必要なのだと思います。
「反省」から「ビジョン」につなげることが
リーダーの仕事だと思います。
今日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございます。
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