社長を辞める日を決めるということ

サイバーエージェントの藤田社長が
自らのブログで
2026年に社長を辞めると宣言した
という記事がありました。

 

3年後、新社長を内部から昇格させ、
自分は会長職になるそうです。

 

組織の相談にのっていると
世代交代の相談をよく受けます。

 

特に60代、70代の経営者の方だと
次の社長を誰にするのか?で
悩んでいるケースが多いです。

 

そんなこともあって、
組織のコンサルティングをしていて、
次世代の経営層を育てるという
テーマをいただくことが増えてきました。

 

一体、どこから手を付けたらよいのか?
と言う話なんですが、
最初にやるべきことは・・・

 

社長を辞める日を決めることです。

 

本当に社長を辞めても大丈夫なのか?
という不安はあると思いますが、
ゴールを決めないと始めることは
できません。

 

3年後なのか?5年後なのか?

 

それによって、
準備のスピードが全く違います。

 

社長を辞める日が決まったら、
次にやるべきことは、
社長が辞めた後の組織図を書くことです。

 

そうすると、
人材を外から連れてこない限り、
今いるメンバーが1つ上の仕事をする
ことになります。

 

係長は課長に、課長は部長に、部長は役員に

 

では、3年後、5年後には、
そうなっているとしたら、
今、上司がやっている仕事を
部下ができるようになっている必要があります。

 

つまり、仕事を1つづつ、部下におろして、
上司からの仕事を受け取るスペースを
作る必要があります。

 

大事なことは、
下におろすことを先にやらないと
上からの仕事を受け取れない
ということです。

 

基本的に、下になればなるほど、
伸びしろが大きくなります。
(上下という言い方はしたくないですが・・・)

 

1年目から2年目になると、
できることが増えているはずです。

 

ここにスペースが生まれる余地があります。

 

下の社員が上を仕事を受け取って
上の社員のスペースが生まれることで
上の社員はさらに上の仕事が
できるようになります。

 

社長の仕事がなくなるまで
下におろしていくことで、
社長を辞められるようになります。

 

すごく当たり前の話をしています。

 

しかし、実態は・・・
下に社員がいなかったり、
下がいても、
ゆとり教育で仕事を受け取るだけの
キャパがなかったりしています。

 

若手社員が採用できない、
若手社員の成長が遅いという中で
これをやるのは、
途方もなく大変なことなんです。

 

だからこそ、
覚悟がいるのだと思います。

 

社長はスーパーマンですから、
自分でやっていれば、
会社は回ります。

 

しかし、
スーパーマンでいられる時間は
限られています。

 

誰かに仕事を受け取ってもらう
必要があります。

 

そう考えると、
組織の成長と人の成長のバランスを
取る必要があります。

 

人の成長のスピードを見ながら
どこまで組織を伸ばすのか?

 

逆に言えば、
人の成長を計算できれば、
どこまで組織を伸ばせるのか?も
見えてきます。

 

冒頭の藤田さんは
急に3年と言い出した訳ではなく
ずっと人を育ててきながら、
事業として、ここら辺でいいかな?と
思ったのだと思います。

 

自分としてはここまでやって
あとは、次の人に任せよう!

 

そう思えたから、
社長を辞める決心がついたのだと
思います。

 

そういう意味で、
社長を辞める日を決めるというのは、
自分のやってきたことに
どこでOKを出すのか?
ということだと思うのです。

 

組織を大きくするというのは、
人を育てることも含まれているということを
忘れがちになっていると思うのです。

 

今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

 

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