以前も取り上げた
安芸高田市の市議会での
市長と議員のやりとりの動画を見ていて、
面白いと思ったものがあったので、
そのことを書きたいと思います。
令和3年第2回安芸高田市
6月定例会での話です。
議員は、
市長が避難指示を出すに当たり
災害の現状の確認をしたのか?
と問いました。
それに対して、市長は
災害の際に判断を下すために
トップが現状確認をしたらダメなんです!
職員が上げてきてくれる情報を
元に判断すればいい!
と答えました。
これには、議員はあきれ気味で、
話を聴いただけではダメで、
トップとして、自分の目で見て確信しないと
分からないことがたくさんある!
と反発をしていました。
この話を聴いていると、
議員さんの話が正しく感じるかもしれません。
実際に現場も見ないで、
人の話しだけで、
大事な判断をしてもよいのか?
その通りだな!と思います。
現場を見て判断する方がよいと思います。
ただし、私が疑問に思うのは、
トップが全ての災害現場を見ることが
できるのだろうか?
ということです。
トップが全ての災害現場を見ることが
できるのであれば、
適切な判断ができると思います。
しかし、全体の一部だけ見て、
判断したとしたら、
それは、果たして適切な判断だと
言えるのでしょうか?
しかも悪いことに、
トップが指示を出したら最優先されます。
しかし、もし、トップが見ていないところで、
より危機的な状況があったとして、
それは優先されなくてよいのでしょうか?
この議員さんのおっしゃる、
自分の目で見て確信しないと
分からないことがたくさんある
という言葉は、もっともらしく聞こえますが、
逆に、自分の目で見ることで、
見たものが全てだと勘違いしてしまう
という典型的な限定合理性の罠に
ハマってしまうことを考慮に入れていません。
「限定合理性」
人は限定的にしか合理的でいられません。
ここのラーメンが一番好き!だと
思ったとしても、
日本中のすべてのラーメン屋さんを
食べ歩きした訳ではありません。
知らないだけで、
もっとおいしいラーメン屋さんが
他にあるかもしれません。
このように全部が見れるわけでもないのに
一部だけ見て判断するのは危険だと
市長は言っているわけです。
これは、社長さんも同じです。
全ての現場を見ることができれば、
自ら見て、判断をすればよいと思います。
しかし、会社の規模が大きくなると、
社長が全てを見ることはできません。
自分が全てを見れないのであれば、
中途半端に見ることをやめて、
部下の報告から判断するしかありません。
現場を見ていない社長に判断ができるのか?
という声が、現場から上がってくるのは、
その通りです。
それは、逆の意味でその通りで、
社長は全ての現場を見ることはできません。
だからこそ、
中途半端に現場を見てはいけないのです。
言い方は悪いですが、
アピールとして、
トップが現場に行くのはよいと思います。
なんだかんだ言って、
人は、見てもらっていると思うと安心します。
しかし、正しい判断をするために、
トップは現場を見るべきだ!という主張は、
ちょっと短絡すぎます。
その一方で、
もし、部下が忖度して、
報告する情報を選択したり、
加工したりしていると、
部下からの報告だけで
全てを判断するのも危険です。
本当のことが把握できないからです。
だから、部下から、
ありのまま情報が上がってくるように、
心理的安全性を高める必要があります。
結局のところ、
トップが全てを見ることができないのだから、
心理的安全性を高めて、
部下を信頼するしかないのだと思います。
心理的安全性については、長くなったので、
次回のブログに書こうと思います。
今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
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