新型コロナウイルスの
感染症法上の扱いについて、
議論が続いています。
現在、新型コロナは
厳しい感染対策が行われる
「2類」相当に位置付けられています。
これに対して
季節性インフルエンザと同じ
「5類」相当に変更すべきだという
意見がでてきています。
「2類」相当では、
治療費は公費なので、
患者に負担がかかりません。
その代わり、
一部の医療機関でないと治療ができず、
全ての患者の状況把握が必要となるため
保健所や医療機関の負担が
大きくなっています。
一方、「5類」相当だと、
季節性インフルエンザと同じなので、
治療費は一部自己負担になります。
そうなると、
全ての医療機関で治療ができるので、
患者の状況把握もいらなくなり、
保健所や医療機関の負担が
少なくなります。
「2類」か?「5類」か?
こっちを立てればあっちが立たずで
難しい判断に迫られています。
このように難しい問題を解決するのに
どのように考えたらよいのでしょうか?
それには、トリプルループ思考です。
ものごとを考えるにあたって
3つのレベルがあります。
①シングルループ
物事に「適切に取り組んで」いるか?
「方法の適切さ」について考えます。
今回の事例で言うと、
保健所や医療機関の対応が大変だから、
「5類」相当にしよう!みたいな話です。
目の前にある問題について
表面的に考えている思考です。
②ダブルループ
「適切な物事」に取り組んでいるか?
「目的・目標の適切さ」について考えます。
今回の事例で言うと、
「2類」か?「5類」か?
何を基準にを決めたらよいのか?
を考えているという話です。
保健所や医療機関の負担を
減らすことが本当の目的でよいのか?
目の前の問題が本当の問題なのか?
を考える思考です。
③トリプルループ
何が適切で、何が適切でないかについて、
「どのように判断している」のか?
「目的・目標設定の信念・価値観など」
について考えます。
今回の事例で言うと、
「2類」か?「5類」か?
という区別そのものが適切なのか?
を考えているという話です。
問題の前提となっている部分から
考える思考です。
このように思考の深さには、
3つあります。
①シングルループで考えれば、
話は早いです。
「2類」か「5類」のどちらかに
決めればよいのです。
しかし、
そんな簡単には決められません。
物事はそんなに単純ではないからです。
そうかといって、
②ダブルループや③トリプルループで
考えると、時間がかかります。
特に、③トリプルループで考えると
前提そのものを変えることになるので
結構、大変です。
今回の事例で言うと
区別を見直そうとすると
法律の改正が必要になります。
また、急に変えたら、現場が混乱します。
変えるためには、
事前告知や説明が必要になります。
現実は、そんな単純ではないのです。
よく社長さんから
「うちの社員は何も考えていない」
と言われます。
それは、
何も考えていないわけではなく
「シングルループ」で考えている
ということです。
では、社員さんに、
ダブルループやトリプルループで
考えられるようになるとしたら、
どうしたらよいのでしょうか?
それは・・・
社員さんに決めてもらうようにする
ということです。
自分で決めるとなると、
ダブルループやトリプルループで
考えざるを得ません。
いざ、決めようとする時点で、
物事は単純ではないことに気付くからです。
ただ、そうは言っても、
トリプルループで考えるためには、
「目的・目標設定の信念・価値観など」
について考えられることが必要です。
前提を変えられるような
発想力が必要になります。
これはこれで、
そんな簡単な話ではありません。
まずは、ダブルループあたりから
考えられるようになることが
現実的だと思います。
そうだとしても、
ダブルループで考えられるように
なるには、
目指すべき状態(「ビジョン」)が
明確に伝わっている必要があります。
目指すべき状態(「ビジョン」)が
明確に伝わっているから、
「目的・目標の適切さ」を判断できる
のです。
もし、会社の目指すべき状態
(「ビジョン」)が
明確になっていないのであれば、
そもそも、ダブルループで考えることも
難しいということになります。
適切に考えられるようになるって
考えろ!って言って
考えられるようになるのでは
ないんです。
考えるのも、大変なんです。
今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
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