なぜ、社員に何度言ってもわからないのか？

先日、お客様の会社で
お昼をたべながら
こんな話になりました。

「どうして、社員に何度言っても
分からないんですかね？」

こういう相談は、結構、多いです。

実は、これを裏返すと、

「どうして、社長の説明は
分かりにくいんですかね？」

ということです。

つまり、お互い、分かっていません。

なぜ、こんなことが起こるので
しょうか？

それは、意思決定のメカニズムに
よるものです。

意思決定をする時は、
いろいろな情報を集めます。

その情報を元に意思決定をします。

そして、その意思決定を
部下に伝えます。

意思決定をした人は
どのようにして意思決定を
したのか？
が見えています。

その意思決定に
何ら疑問も感じません。

しかし、その意思決定だけ
伝えられた方は、意思決定の
プロセスが分かりません。

もう少しかみ砕いて説明しましょう！

例えば、①～⑩までのプロセスで
意思決定をしたとします。

意思決定をしたほうは、
⑤と⑦と⑩を伝えれば伝わる
と思って伝えます。

しかし、伝わらないので、
もう一度、⑤と⑦と⑩ を伝えます。

それでも、伝わらないので、
また、同じように
⑤と⑦と⑩ を伝えます。

もう、お分かりだと思います。

ちゃんと伝えるには、
①～⑩まで
伝える必要があるんです。

伝えるほうが、
一方的に⑤と⑦と⑩で伝わると
判断してしまっているわけです。

コミュニケーションには
３つのレベルがあります。

シングル・ループ
物事に「適切に取り組んで」いるか？

ダブル・ループ
「適切な物事」に取り組んでいるか？

トリプル・ループ
何が適切で、何が適切でないかについて、
「どのように判断している」のか？

通常、社員さんに伝えているのは
シングルとダブルです。

つまり、
「適切な物事」に「適切に」取り組んでいるか？
というレベルでコミュニケーションを
取っていることが多いと思います。

先ほどの数字でいうと⑤から⑩の情報です。

問題は、シングルループから見ると、
トリプリループは見えないということです。

つまり、①～④は見えないのです。

中には①～④を言わなくても
分かる人がいます。

その人は、勘が鋭かったり、
同じような状況に置かれていたり、
同じような経験をしたことがある人です。

しかし、ほとんどの人は
伝わらないのです。

それよりも、厄介なのは、
分かったつもりになっている場合です。

人は自分が見たいものを見ます。

①～④は見えないのに、
見えたつもりになってしまう。

勝手に分かっているつもりになって
相手を決めつけてしまう・・・

人間関係のトラブルはこれが元です。

それを回避するのは、
唯一、質問して確認するしか
ありません。

①～④って、何なんですか？

トリプリループの問いです。

何が適切で、何が適切でないかについて
「どのように判断している」のか？

つまり「背景」を聞くということです。

でも、これって、なかなか
聞けないのです。

なぜなら、
「そんなことも分からないのか？」
って思われるからです。

バカだと思われるかもしれないし、
面倒臭いヤツだと思われるかもしれません。

でも、聞かないと分からないのです。

逆に言うと、
言わないと分からないのです。

そもそも、人と人は違うので、
当たり前が違います。

そこのズレを直さないと
理解し合うことはできません。

結局、これも、背景によっても違います。

恋愛でトリプルループをやってしまうと

「女心が分からない人！」

ということになりますから・・・

人と人は違うなんて言っても、
言い訳にしかならないでしょうから・・・

今日も最後まで読んでいただいて
ありがとうございます。

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