自分の仕事とは関係ないという意識を捨てる

このブログで何度か紹介している
トヨタイムズに
豊田社長の年頭挨拶の動画が
アップされていました。

豊田社長年頭挨拶 ～一歩踏み出した人たちへ～

広い会場に集まった社員さんに
豊田社長がビジョンを語っている
動画です。

いくつも、
こころ惹かれる言葉が出てきます。

その中でも、一番印象に残ったのは
最後の最後でおっしゃっている

自分の仕事とは関係ないという意識を捨てて下さい

という言葉です。

私がいつもお客様の会社で
相談を受けるのは「人間関係」です。

お話を聞いて、
「人間関係」を突き詰めていくと
結局「正しさ」の押し付け合いです。

自分はちゃんとやっているのに
あいつはやっていない！

あいつの考え方はおかしい！

自分だけが大変で
あいつは楽ばかりしている！

そうやって、
相手のことを否定します。

私は「正しい」相手は「間違っている」

「自分が正しい」ということを
証明するために仕事をしているように
思えてきます。

このように思っている限り
問題は解決しません。

なぜなら、自分も相手も
「正しい」と思っているからです。

行動経済学の考え方に
「限定合理性」という言葉があります。

人間の合理性は限定的だ！
ということです。

いつもブログに書いている
「ルービックキューブ理論」です。

ルービックキューブには6面ですが、
人が見ることができるのは
3面だけです。

必ず、見えない面が存在している
ということです。

だから、見ている面だけで
判断すると間違えるという話です。

でも、おかしいですよね！

全部の面が「正しい」なんてことが
あるのでしょうか？

ありません！

自分の面が「正しい」と思っているだけです。

ルービックキューブのゴールは
全ての面の色がそろうことです。

自分の面の色だけそろえて
「できた！」と思っていても
全体でみればできていないのです。

他の面は関係ない！

そう思うかもしれません。

しかし、お客様にとっては、
１つのルービックキューブです。

全ての色がそろっていなければ、
完成品とは思ってもらえません。

では、
全ての面をそろえるには
どうしたらよいのでしょうか？

自分が「できた！」（正しい）
と思っている面を崩す必要があります。

それが、

「自分の仕事とは関係ないという意識を捨てる」

ということです。

そのためには、
どうしたらよいのでしょうか？

そのヒントになる言葉を
豊田社長はおっしゃっています。

米トヨタの最大の危機
リコール問題の時の話です。

事故の原因を
クルマの電子制御システムの
欠陥のせいだとされていました。

そこで、
豊田社長のとった行動は
言い訳もしなければ、
誰のせいにもしませんでした。

ただただ、トヨタが大好きだ！

そのトヨタの仲間を守りたい！

その想いだけだったそうです。

正しい、間違っているの判断を超えて
どうなっていればいいか？だけを
考えるということです。

現状をどうにかするのではなく、
ゴールから逆算して、
やるべきことをやるということです。

つまり、
「ビジョン」をかなえたいと
強く思うことです。

共通の「ビジョン」がないと
自分のことだけを考えるように
なります。

人間は限定的に合理的なので
何もしないと部分最適に陥ります。

対立ばかりしている組織には、
本気でかなえたいと思う「共通のビジョン」
が必要です。

これも組織のメカニズムです。

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