お客様のお医者さんの友人で
大学病院に勤務しているお医者さんから
コロナウイルスの患者さんで
病床がいっぱいになったという
連絡があったようです。
同じメッセージが
他の方のFBにもアップされていたので、
違和感を感じなくもないですが・・・
もうすでに、
医療崩壊した時の
検討を始めているとのことで、
世間で言われているよりも、
現場は深刻に考えているそうです。
本来、助けられるはずの命が
助けられない事態になりそうだと
感じていて、
「助ける命を選択する医療」に
シフトせざるをえなくなる
とのことです。
「助ける命を選択する医療」
「トリアージ」です。
以前、ブログで
「トリアージ」について
取り上げたことはあります。
しくみのちから
「トリアージ」とは、
患者の重症度に基づいて、
治療の優先度を決定して選別を行うこと。
以前のブログと
重なるところはありますが、
あらためて書いてみたいと思います。
災害時などに大量に負傷者が出た時に
医療従事者や施設に限界があるため
助けられる命と助けられない命を
見極めなければなりません。
患者は症状によって色分けされます。
呼吸と心臓が止まっている患者は「黒」
治療はされません。
重症度が高い順に「赤」と「黄色」
治療が優先されます。
軽傷の場合は「緑」の札が
付けられます。
阪神・淡路大震災直後の
県立淡路病院では、
日本で初めて
治療の優先順位をつけるための
トリアージが行われました。
今回のコロナウイルスでも
イタリアはそういう状態にありますが、
日本でも同じように、
命を選別しなければならない状態に
なりそうです。
現実問題として、
人工呼吸器の数に限界があるので
医師は目の前の患者さんの命を
選択しなけれななりません。
これは相当の負担になります。
この時に、
医師にその判断をしなくても
良いようにするのが
「トリアージ」です。
あらかじめ、
「トリアージ」がされていれば、
医師は現場で迷うことはありません。
「人」にかかる負担を
「しくみ」で補おうというのです。
いつも、ブログに、
組織の成果は
「人」×「しくみ」×「関係性」
ということを書いています。
成果が上がっているのですが、
組織として成果が出ないとすると
「人」でなんとかしてしまっている
場合が多いです。
「人」が優秀な場合、
「しくみ」なんかいりません。
「しくみ」を作るなんて、
時間と手間がかかるだけです。
しかし、
組織が大きくなったり、
スピードが求められるようになると
優秀な「人」であっても、
お互いに干渉し合って動きづらく
なります。
それぞれが正しいと思うことが
違うからです。
正しさだけでは解決しません。
可能性がある限り
あきらめずに治療するべきだ
という人もいるし、
より可能性の高い患者を
救うべきだという人もいます。
しかし、
一分一秒を争う中で
議論をしている余裕はありません。
議論をしないためにも
共通の判断軸である基準(しくみ)
が必要です。
そういう意味で
「トリアージ」という「しくみ」は
よくできた「しくみ」だと思います。
「しくみ」があるから、
医師が迷わずに治療に専念できます。
命の選択で悩まなくていいんです。
理屈の上では・・・
当たり前の話ですが、
「トリアージ」に従えば、
医師は悲しむことがなくなるのか?
というと、そんなことはありません。
「トリアージ」に従っていても
自分の患者の治療をあきらめるのは
辛いことだと思います。
頭では分かっていても
心がついていきません。
だから「関係性」が必要なんです。
医療従事者が、お互いに
思ったことや考えていることを
言える「関係性」があることで、
少しでも、それを乗り越えていく
力にしてもらうしかありません。
お互いに共感することで、
個の負担を少なくするしかないと思います。
「人」に頼るやり方では、
「組織」は疲弊していきます。
「人」に頼るのではなく、
「しくみ」や「関係性」を活かして
「人」の負担を減らしていただきたい
と思います。
このお医者さんのメッセージは
こんな言葉で締めくくられています。
だから、外出を控えてください。
人と会わないでください。
感染を食い止める方法はこれしかありません。
生きていくための最低限の外出だけにしてください。
時間がもうありません。
よろしくお願いします。
我々は、我々でできることを
するしかありません。
それは・・・
外出を辞めることです。
とはいえ、
ビジョンを共有しないことには
バラバラにやっていても
成果は上がりません。
ビジョンを示すべき人が示さないと
動きようがないのも事実です。
ここまで切迫しているのに、
緊急事態宣言が出ない理由が
分かりません。
何かこちらからでは
見えない何かがあるのでしょうか?
そろそろ、
個々の頑張りも
限界に来ているように思います。
今日も最後まで読んでいただいて
ありがとうございます。
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