トヨタ自動車の豊田章夫社長が
社長を退任、会長に就任し、
執行役員の佐藤恒治さんが
社長に就任しました。
会長・社長就任の記者会見を
自社メディアのトヨタイムズで
発信するあたり、
時代の変化を感じました。
その記者会見の様子は
YouTubeでも見ることができます。
【トヨタイムズ緊急生放送!】
この記者会見を見ると、
世代交代というのはかくあるべき
というのが分かります。
最近、私の所に相談いただく
内容の半分ぐらいが
「サクセッションプラン」
についてです。
「サクセッションプラン」とは、
後継者育成計画のことです。
分かりやすく言うと、
未来の組織図を書くということです。
誰を社長にして、
誰を部長にするのか?
未来の組織図を書くと、
自然と育成の話になります。
人は歳を取っていくので
いずれはいなくなります。
そのいなくなった時に
下のメンバーを上に引き上げる
必要があります。
しかし、引き上げても
すぐにその役割を果たせないので、
早めに譲って、任せながら
育てるのが理想的です。
しかし、
ほとんどの場合は、
社長が後継者に任せきれずに、
譲らないといけない時に
人が育っていないということが
よくあります。
今回の記者会見を見ていて
興味があったのは、
トヨタはどのように後継者を
育ててきたのか?
ということです。
かつて、章夫社長は、
トヨタ全社員37万人が候補者だ!
なんて言っていました。
しかし、新社長の
佐藤さんの経歴を見ると、
2020年から
レクサスやGAZOOレーシングの
社長を経験しています。
レクサスやGAZOOレーシングは、
豊田章夫社長が立ち上げた会社で
その後任を任せていたわけです。
そこから2年間、
見極めをして社長に抜擢という
流れのようです。
少し、早い気がしますが、
外部環境が時間をかけて育てることを
許してくれなかったように思います。
というのも、世界的に
カーボンニュートラルの流れが
急速に早まっている中で、
トヨタは、正直、遅れを取っている
と思います。
例えば、電力です。
日本では、火力発電が約7割で、
日本で電気を使おうとすると
カーボンニュートラルの基準を
満たせません。
そうなると、
日本で車を作れなくなります。
トヨタ自身の問題でなく、
日本の問題です。
トヨタの問題を解決しようとすると
国を動かす必要があります。
そう考えると、
章夫さんの仕事は、
社内ではなく、社外なのです。
社外の環境を変えないと
トヨタは生き残れないのです。
これは、私の憶測ですが、
社外の問題を解決するために、
社長を譲るざるを得なかったのではないか?
と思うのです。
「サクセッションプラン」
の一番の障害は
社長が業務を手放せないことです。
社長の業務を社長以外の人に
譲れない限り、
「サクセッションプラン」は進みません。
人はやりながらでないと学べないのです。
後継者が社長業を経験できるように
社長が社長業を手放さないと
いけないのです。
では、どうしたら、
社長が社長業を手放せるのか?
ポイントは2つあって、
1つ目は・・・
社長が社長業以外のやりたいことを
見つけるということです。
人は手放すことができません。
しかし、
何かを手に入れようとしたら、
何かを手放さないといけません。
欲しいものがあれば、
手放せるようになります。
新たにやりたいことがあると
結果的に手放すことになります。
ポイントの2つ目は・・・
任せられる状況を作ることです。
イチかバチかで
社長の業務を手放すわけにはいきません。
任された方がその業務を遂行できる
ようにしておく必要があります。
トヨタはどうしたのか?
この記者会見の中で
豊田章夫社長が言っているように
「トヨタフィロソフィー」を作ったのです。
「トヨタフィロソフィー」
https://toyotatimes.jp/report/shareholders_2021/157.html
いわゆる
ビジョン・ミッション・バリューです。
そして、「トヨタフィロソフィー」を
もっとも体現できている人を
後継者として選んだ
ということだと思います。
もちろん、
トヨタの社員は優秀だから、
任せられるというのもあると思います。
しかし、逆の言い方をすると、
トヨタの社員でさえも、
ビジョン・ミッション・バリューが
必要なのです。
記者会見の中でも、
新社長は自分らしくやったらいい!
なんて言えるのも
ビジョン・ミッション・バリューが
あるからです。
これについては、
もう少し書きたいのですが、
長くなったので、
明日のブログに書こうと思います。
今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
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