岐阜・岐南町の町長が
第三者委員会の調査によって
99の行為がセクハラ行為だと認定されました。
そのことについて、
昨日、記者会見が行われました。
セクハラ、恫喝、障害児差別発言…
調査報告書に反論
岐阜県岐南町・小島町長の会見、全編
また、今回の第三者委員会の調査結果は
岐南町のHPに公開されています。
岐南町ハラスメント事案に関する町の対応
https://www.town.ginan.lg.jp/4312.htm#ContentPane
中身を見ると、想像を絶する内容で
不適切もほどがあります。
昭和感満載で、
今どき、こんなことをしているんだ
とあきれるような内容です。
一例をあげると・・・
・会うたびに頭をポンポンと触られた
・『手相をみたる』と言って手を触られた
・『色白だろう』と言って、ズボンをめくりあげて見せつけてきた
・『いつでも辞めさせることができる』と言って脅された
・個人的に若手女性職員を食事に誘う
・町税を滞納している町民(友人の子)への配慮
もうやりたい放題です。
これだけのことをしておいて、
記者会見では、次のように言っていました。
今回の調査委員会の報告書は、
一言で言えば、中立性に欠けていたと思います。
私見でありますが、偏見があると思っております。
もう少し丁寧な説明が、あるいは調査があって
いいんではないかと思っております。
いやいやいや、
第三者委員会の報告書で
ここまで虚偽の内容は書かないと思います。
さらに、記者会見の中で
報告書を時間がないという理由で
9ページしか読んでいないことを明らかにしました。
実は今回の第三者委員会による
報告書の作成に1240万円かかっています。
これに対して、記者が、
町民のお金を作った報告書も読まずに
記者会見に臨むなんて、
町民に対する裏切りではないか?
と質問したところ
誠心誠意やっている私に対して失礼だ!
ちょっとおかしくないですか?
と感情をあらわにしました。
町のお金を使って作った報告書を
読んでいないのですから、
私は町長の方がおかしいと思いました。
結局、自分に都合の悪いことには
耳も傾けないし、
向き合おうとしていません。
その向き合わない姿勢は徹底していて
動画を見ていると、
町長は悪くなくて、
報告書が間違っているのではないか?
と思えるほどです。
ただ、終盤で、記者から
町長の家族や親族・知人・友人からアドバイスは?
という質問には、涙を浮かべて、
お兄さんから怒られたということを
明らかにしました。
そして、こんな風に語り出しました。
(動画の52分あたりから)
大々的に報道されると
やっぱり心が折れます。こんな皆さんと向かって
私、一人ですよ!
対峙しているのは・・・やはり心が折れますよ。
(中略)
全部、自分の責任です。
ここで、ようやく
自分に向き合う言葉が出てきました。
私のこの記者会見を全部見て、
町長の成長があったように思います。
人の成長については、
「成人発達理論」というものがあります。
ハーバード大学教育大学院教授の
ロバート・キーガン氏が、
人の成長を5段階に定義しています。
第1段階:具体的思考段階
この段階は、子どもが言語を理解した段階なので、
成人には適用されません。
第2段階:道具主義的段階
この段階は、自分のために、
他者を道具のように扱ってしまう
自己中心的な状態です。
相手の立場に立って考えることができません。
上手くいかないのは、人のせいにします。
また、責められると感情的になります。
記者の「裏切り」という言葉に反応して
感情的になったことから、
町長はこの段階にあったと考えます。
第3段階:他者依存段階
この段階は、自分で考えずに
他人に依存している状態です。
自分で意思決定をするための価値基準がなく
権威や肩書に弱く、長いものに巻かれる状態です。
ただ、相手の立場に立って考えられるだけ
第2段階より成長しているとも言えます。
町役場の職員はこの段階にあったと考えます。
第4段階:自己主導段階
この段階は、価値基準が確立され、
自分で意思決定できる状態です。
自分の考えていることを言語化できる状態です。
第2段階との区別が難しいのですが、
自分勝手というより、信念に基づいて、
判断している状態です。
町長はこの段階に見えますが、
自分勝手で、他人に攻撃的なところをみると
第2段階だと思います。
ただ、最終的に、
全部、自分の責任です!と言えたので、
この段階まで上がったのではないか?
と思います。
第5段階:自己変容・相互発達段階
この段階は、自分の価値基準をもちながら、
相手の価値基準を受け入れることができる状態です。
相手を否定することなく、
相手との関係性を構築できます。
そのため、他人が成長することに喜びを感じ、
それによって、自分も成長できたと感じられる状態です。
以上が、ロバート・キーガン氏の
「成人発達理論」です。
「成人発達理論」の特徴は、
大人も成長するということです。
ただ、全ての大人が、
順調に成長するわけではなく
低いところでとどまることもあります。
その割合は、
第2段階:道具主義的段階 5%
第3段階:他者依存段階 70%
第4段階:自己主導段階 20%
第5段階:自己変容・相互発達段階 5%
と言われています。
個人的には、
第2段階:道具主義的段階が
ニセ第4段階を含めると、
もっといると思いますが・・・
いずれにしても、
段階があるなら、成長すればいいじゃないか?
と思われるかもしれません。
しかし、問題は、
成長というのは、やむに已まれず、
するものなのです。
つまり、成長しようと思って
成長するのではなく、
しかたなく成長するものなのです。
今回、町長は、大々的に報道されて、
町役場という狭い世界から
世間に引きづり出されて、
自分のやっていることがパワハラだと知り、
また、家族や親族の声がけもあって、
認識が変化することで、
段階が上がったのだと思います。
これは、私の勝手な見立ててで
上がっていないのかもしれませんし、
そもそも、本当は、町長は貶められたのであり、
真実は別の所にあるのかもしれません。
(町長を排除しようとする動きがあった?)
いずれにしても、
成長というものは、傷みを伴うというか、
見たくないものを見て、
受け入れがたいものを受け入れることで
成長するものです。
成長ためには、
自分の弱みを認めて、
周りのサポートを素直に受け入れることが
大事なのです。
それができれば、
大人になっても成長できるのです。
この「成人発達理論」について
詳しく知りたい方は、
この本を読んでいただければと思います。
組織も人も変わることができる!
なぜ部下とうまくいかないのか
「自他変革」の発達心理学
結局のところ、自分が変わらなければ、
相手は変わらないのです。
これを「修行」と言われれば
その通りなんですが、
大人になっても成長したいなら
修行するしかないのです。
今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
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