持続化給付金の手続き業務について、
経済産業省から委託を受けた
「サービスデザイン推進協議会」が、
業務を電通に再委託していたことが
問題になっています。
東洋経済のWEB記事によると、
電通広報部は東洋経済の取材に対し、
「業務執行に当たっては、
経済産業省が定めるガイドラインを
順守している。」
と回答していると言います。
また、観光や飲食産業を支援する
「ＧｏＴｏキャンペーン」も
事業委託費が高すぎるという批判を受け
実質、やり直しを余儀なくなされました。
マスクの委託先の選定でも
問題になりましたが、
何をするにしても、
どうも国民の感覚とズレがあります。
外から見ていると、
これだけ、問題になるのだから、
もう少し、対策を考えればいいのに・・・
と思ってしまいます。
しかし、
やっているほうは、
今までと同じやり方をしているのに
何が問題になるのか？が
分かっていないのだと思います。
それは・・・
電通広報部の
「ガイドラインを遵守している」
という言葉に現れています。
これって、
コンプライアンスとは何か？
の問題だと思います。
上場企業を中心に
ハラスメント、コンプライアンスの研修で
活躍している友人の湯澤さんから
こんなことを教わりました。
コンプライアンスは「法令順守」ではない！
コンプライアンス（compliance）の
日本語訳としては「法令順守」です。
しかし、
その言葉の意味してところは・・・
法令には定められていないものの
社会的に求められる
倫理規範や道徳規範を守る
ということです。
つまり、
違法か？合法か？は関係ないのです。
このコロナ禍の経済危機の中で
国民から預かったお金を
倫理的に、道徳的に正しいと
言えるような使い方をしているのか？
ということです。
私は業界のことは詳しくは分かりません。
しかし、
「ＧｏＴｏキャンペーン」の公募を
いったん中止するというからには、
問題があったのだと思います。
これは、
今まで問題ないのだから、
これからも問題ないだろう・・・
という考え方が通用しなくなっている
ということです。
考えてみると
同じようなことが起こっています。
桜を見る会
検事長定年延長の解釈問題
河井前法相の買収疑惑
今までグレーだったところが
認められなくなっています。
そんなのいいじゃない！
みたいなことが通用しなく
なってきています。
今回も
なんとか協議会を通すとか
事務委託費に何百億も支払うということは
今までは当たり前だったのだと思います。
どうして
これが問題になるのでしょうか？
これは、
このブログで、度々、登場している
「トリプルループ」の話です。
ものごとを考えるにあたって
３つのレベルがあります。
①シングルループ
物事に「適切に取り組んで」いるか？
「方法の適切さ」について考えます。
②ダブルループ
「適切な物事」に取り組んでいるか？
「目的・目標の適切さ」について考えます。
③トリプルループ
何が適切で、何が適切でないかについて、
「どのように判断している」のか？
「目的・目標設定の信念・価値観など」
について考えます。
マニュアル通りにやるには
どういうやり方をすればいいのかな？
というのが「シングルループ」です。
こんなことをしていて
本当にいいのかな？
というのが「ダブルループ」です。
いいか？悪いか？
どうやって判断したらいいのかな？
というのが「トリプルループ」です。
そう考えると
「トリプル―プ」で考えられないと
コンプライアンスは遵守できない
ということです。
つまり、
何が適切で、何が適切でないかを
判断できない組織は、
同じ問題を繰り返し起こすことに
なります。
その判断ができるのようになるのが
「学習」であり、
「学習」ができない組織は、
生き残っていけないのだと思います。
おそらく、このコロナ禍で
そのスピードは速まっているように思います。
「学習」できない組織にとっては
絶体絶命のピンチですが、
「学習」できる組織にとっては、
またとないチャンスになると思います。
「学習」できる組織にするのが
チームビルディングの目的なんですが、
その話はまたの機会にしたいと
思います。
今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
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