理解できないものをどう理解するか?

ソウル中央地裁が、
韓国人元慰安婦が日本政府に対して
損害賠償を求めた訴訟で、
原告の請求を却下する判決を
言い渡しました。

 

そもそも、
他国の行為を自国で裁いたり
他国の財産を自国で差し押さえたり
することは、国際慣習法上の
「主権免除」の原則があるので、
できません。

 

他国を裁いたところで、
判決の執行はできないので、
最初から棄却するのが妥当です。

 

他国に対応を求めるなら、
条約を結ぶしかありません。

 

そういう意味で、
2015年に日韓政府間で
合意を結んでおり、
韓国側もその枠組みの維持を
約束しているようなので、
あとは、韓国国内の問題です。

 

それにもかかわらず、
韓国の外相は、
ソウルで開かれた討論会で、
次のように述べたそうです。

 

日本は“政府間の合意”であるため、
韓国が守らなければ“国際法違反”だ
という理屈に合わない主張をしており、

「韓国を『国際法を違反する国だ』
と罵っている

 

政府間の合意を守るのは
理屈に合っていますし、
韓国に国際法を遵守するように
要望している政治家はいますが、
罵っている政治家は見たことがありません。

 

ちょっと言っていることが
理解できません。

 

実は、これは、
人間関係が壊れる典型的な構造です。

 

政治ネタはタブーなんでしょうけれども
あまりにも興味深いので、
ブログに書きます。

 

これは、
U理論の「不在化」と言われる現象です。

 

U理論は、すでに
このブログで、何度か紹介しています。

 

本を読むと難しいのですが、
現象でとらえると分かりやすいと思います。

 

U理論を実務レベルで説明すると、
「上」に行くのか?
「下」に行くのか?です。

 

「上」に行くと上手く行かなくて、
「下」に行くと上手く行きます。

 

今回の韓国の外相の発言は、
「上」に行っているように見えます。

 

では、どのように「上」に行くのか?
を説明したいと思います。

 

イメージとしては、
Uの字を逆にしたイメージです。

 

 

「ダウンローディング」

起こった現象を認識する段階です。
ここがスタートです。

「盲目状態」

無意識に自分が正しいと思っているので、
起こっていることに気が付きません。

「観ない」

自分が正しいと思っているので、
それ以外ものが見えなくなっています。

あえて、別の見方をしようとも
していないので、
自分に都合が良いようにしか
見えなくなっています。

「立てこもり」

自分の見え方に固執をします。
自分が正しいことを
必死に証明しようとします。

周りの人の話に耳を貸そうとしません。

「感知しない」

自分に必死なので、
相手のことなんて考えていません。

知らぬ間に相手を傷つけて
いることがあります。

「しがみつく」

自分の考え方にしがみつきます。
他の考え方は受け入れる余地がありません。

何を言っても、
「でも・・・」という答えが返ってきます。

「不在化・傲慢」

100%私は悪くない!
私のせいじゃない!

完全に他責になります。

問題の当事者ではなくなります。
他人事なので傲慢になります。

「操る」

周りを自分の思い通り操ります。

感情的になって、
周りを巻き込みます。

「自己欺瞞」

ウソをついて、
なかったことをあったことのように
思いこませます。

言っているうちに、
自分でも何が作り話で
何が本当か分からなくなります。

「力の濫用」

権力を振りかざして、
自分と違う意見や反論を押さえつけます。

大声をだしたり、脅したり、
自分の言うことをきかせようとします。

「棄てる」

思い通りにならないので、
関わり合いを捨てます。

話もしなくなり、
相手を避けるようなります。

「殲滅」

相手を倒すことに全力を尽くします。
徹底的に相手を攻撃します。

「破壊」

人間関係は破壊され
修復ができなくなります。

もうおしまいです。

 

「上」に行くと
このようなプロセスをたどります。

 

「自分は間違っていない」
「自分は悪くない」
「正義は我にあり!」
という考え方に固執すると、
「上」に上がっているのを
止めるのは難しくなります。

 

私も含めて、感情的になると、
「上」に上がりやすくなります。

 

今も、このブログを書きながら、
私自身も「上」に行っているかも
しれません。

 

それぐらい「上」に行くのは
日常的なものです。

 

ただ、U理論を知っていると、
「上」に行く自分を自覚できるように
なります。

 

そして、「不在化」の前であれば、
「下」に向かうことはできると思います。

「不在化」を越えると、
自分の問題ではない
と思うようになるので、
問題を解決できなくなります。

 

ここから先は、
「操る」「自己欺瞞」「力の濫用」
「棄てる」「殲滅」「破壊」
の順番で進んでいきます。

 

感情的になって、
周りを巻き込んだり・・・

 

あることないことを
言い出したり・・・

 

脅して相手を思い通りに
しようとしたり・・・

 

U理論が分かっていると、
相手の状態が手に取るように
分かります。

 

それが分かると、
こちら側が「上」に行くことは
なくなります。

 

他人のふり見て我がふりを直せ!
という話です。

 

これが一緒になって、
「上」に行ってしまうと、
お互いに「上」に行くスピードが上がって
一気に「破壊」に向かいます。

 

長くなるので、
今回はこの辺にしますが、
「下」に行くのが「対話」です。

 

自分の思い込みを外して、
相手の背景を知ろうとして、
新たな解決策を探ろうとする・・・

 

なので、起こっている現象は、
「対話」の逆です。

 

「上」に行っている人を
「下」に向かわせる手段は
1つしかありません。

 

それは「フィードバック」です。

 

しかし、まずいことに、
フィードバックは、
相手が求めている時でないと
機能しません。

 

そうなると、
事実上、本人が「下」に向かおう
と思わない限り、
「上」に行っている人には、
打ち手がありません。

 

つまり、
「下」に向かおうとする時が来る
と信じて待つしかないのです。

 

信じて待つ

 

そのつもりでも、
気を許すと「上」に向かうんです。

 

その時に大事なものが
「ビジョン」です。

 

「こうなりたい!」と
強く想うものがあれば、
強く信じることができるのだと
思います。

 

それがないと、
そもそも難しいという話です。

 

何も、上手く行くことが
全てではありませんから・・・

 

今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます!

 

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