2001年9月11日の同時多発テロから
20年が経ちました。
あの頃は、祖父の会社を辞めて、
社労士試験を受け終えたばかりで、
無職でした。
暇だったので、一日中、
テレビのワイドショーばかり
見ていました。
あれから20年
無職になって、誰からも
必要とされていなかった私が
今、こうして仕事をしていることを考えると
人は変われるのだと思います。
しかし、アメリカはどうでしょう・・・
テロ後、アメリカは
ビンラディン容疑者をかくまった
タリバン政権を攻撃しました。
ブラウン大ワトソン研究所の
集計によると、
対テロ戦争でこれまでに
世界で約90万人の方が亡くなり、
このうち民間人は36万人以上だそうです。
さらに、戦争にかかった費用は、
8兆ドル(約880兆円)です。
東京オリンピックの費用が
4兆円ですから、
20年間とはいえ、
その大きさが分かります。
しかし、結局のところ、
アメリカはアフガニスタンから撤退し、
タリバン政権が復活しました。
何も得られなかったどころでなく
多くものを失いました。
歴史に”IF”はありませんが、
アメリカは、どのようにこの問題を
解決したらよかったのでしょうか?
国際紛争のプロフェッショナル
アダム・カヘン氏は、
「コラボレーション」によって
問題解決をしています。
「コラボレーション」とは
お互いに手を組むということです。
テロを起こした相手と
お互いに手を組むことは
考えられないかもしれません。
しかし、
武力で争いを続けても、
泥沼にはまるだけです。
アダム・カヘン氏は、
複雑な問題を解決するための方法には、
「強制」「適応」「離脱」
「コラボレーション」
の4つがあると言っています。
「強制」
力で自分の望ましい方向にもっていくこと
これによって、安定がもたらされるので
あれば、それはそれでもよい。
「適応」
力がない時、その状況を受け入れること
それが耐えられる程度であればよいが、
耐えられない時は、ふさわしくない。
「離脱」
問題から遠ざかること
逃避しているだけで、問題が悪化することもある。
大にして、その後、悲劇につながる
「コラボレーション」
相手と協力しながら、話し合い、
合意を図りながら、解決する。
「コラボレーション」がよさそうな感じが
しますが、それは問題が単純な場合です。
お互いに信頼関係がなく、
利害関係者が増えれば増えるほど、
困難になります。
そこで、アダムカヘン氏が提案するのが
「ストレッチ・コラボレーション」です。
完全な一致を目指すのはなく
方向性だけ合わせるイメージです。
「ストレッチ・コラボレーション」を
行うには3つのステップがあります。
第一ステップは、
対立している相手と
一緒に協働することはできると
受け入れることです。
つまり、相手を信じるのではなく、
一緒に協働できることを
信じるということです。
具体的に言えば、
対立している相手も
平和を望んでいると信じること
ということです。
第二ステップは、
とりあえず、できそうなことで
対立している相手と
一緒に協働してみることです。
これも、具体的に言えば、
平和に向けた活動を
対立している相手とやってみる
ということです。
第三ステップは、
相手が変わらなければならない
という考えを手放すことです。
相手が変わる変わらないにかかわらず
まず、自分から変わるということです。
相手に変わることを求めて
自分は変わらないというのは、
一貫性がありません。
自分と違うものを敵と認識しない
ことが大事です。
そもそも、みんな違うのです。
自分と違うことは脅威ではない!
この考えに至った時に
「コラボレーション」が実現します。
ただ、アダム・カヘン氏は
「コラボレーションが唯一の解決方法ではない」
と言っています。
強引にものごとを進めことも
今の現状の受け入れることも
交渉の席を立つことも
選択肢の1つだと言っています。
つまり、
なんでもかんでも解決できる!
と思うことが、
実は、問題解決の選択肢を狭める
ということなんです。
「なんでもかんでも解決しようとしない!」
そういうスタンスでいると
不思議と解決するんです。
それを無責任だと言われれば
そうなんでしょうけど、
いつも谷をくぐっている時の感覚って
これに近いように思います。
目の前の問題ではなくて、
最終的にどうなりたいのか?
に意識を向けることが
大切だと思っています。
私がコンサルティングしている
職場の問題もこんな風に考えて
取り組んでいます。
社長さんとは違うけれど、
社員さんも会社を良くしたいと
思っていることが信じる。
そこから、
できることを一つ一つやってみる。
だから、できていないことより
できていることに注目します。
そもそも、会社が存在している限り、
上手く行っているのです。
それを同じにしようとすることが
無用な混乱を生んでいるように思います。
みんな違ってみんないい
解決していないけど上手く行く
それをゴールにしてもよいと思うのです。
今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
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