前回は、岐阜・岐南町の町長が
セクハラ行為によって辞任した件から
成人発達理論について書きました。
せっかくなので、
成人発達理論について
もう少し書きたいと思います。
「成人発達理論」は、
ハーバード大学教育大学院教授の
ロバート・キーガン氏によって
人の成長を5段階に定義したものです。
第1段階:具体的思考段階
この段階は、
子どもが言語を理解した段階なので、
成人には適用されません。
第2段階:道具主義的段階
この段階は、自分のために、
他者を道具のように扱ってしまう
自己中心的な状態です。
相手の立場に立って考えることができません。
上手くいかないのは、人のせいにします。
また、責められると感情的になります。
第3段階:他者依存段階
この段階は、自分で考えずに
他人に依存している状態です。
自分で意思決定をするための価値基準がなく
権威や肩書に弱く、長いものに巻かれる状態です。
ただ、相手の立場に立って考えられるだけ
第2段階より成長しているとも言えます。
第4段階:自己主導段階
この段階は、価値基準が確立され、
自分で意思決定できる状態です。
自分の考えていることを言語化できる状態です。
ただ、自分が正しいと思っているので、
相手の価値基準を受け入れられません。
第2段階との区別が難しいのですが、
自分勝手というより、信念に基づいて、
判断している状態です。
第5段階:自己変容・相互発達段階
この段階は、自分の価値基準をもちながら、
相手の価値基準を受け入れることができる状態です。
相手を否定することなく、
相手との関係性を構築できます。
そのため、他人が成長することに喜びを感じ、
それによって、自分も成長できたと感じられる状態です。
「成人発達理論」の特徴は、
大人も成長するということです。
ただ、全ての大人が、
順調に成長するわけではなく
低いところでとどまることもあります。
その割合は、
第2段階:道具主義的段階 5%
第3段階:他者依存段階 70%
第4段階:自己主導段階 20%
第5段階:自己変容・相互発達段階 5%
と言われています。
よく、自律型人材を育てる
という話を聞きますが、
それは第4段階の人材に育てるということです。
この%が正しいとすると、
全体の25%、4人に1人にする
ということです。
中小企業においては、
なかなか簡単じゃないぞ!と
思われるんじゃないかな?と思います。
この現実を受け止めることから
人材育成を始める必要があります。
前回のブログで書いたとおり、
段階を上げようとして上がるものではなく、
やむに已まれず上がるものなのです。
では、どうしたら、段階が上がるのか?
というと・・・
放っておけばよいのです。
人のせいにしたり、
他人に依存しているうちは、
問題は絶対に解決しません。
自分の問題だと思わない限り
問題は解決しません。
そこで、困るか?どうか?です。
困っていないなら、
そのままでいればいいんです。
ちなみに、段階が低いからダメだ
という話ではありません。
例えば、第4段階(自己主導段階)
以上でないとダメみたいな話になると、
世の中の75%の人がダメになってしまいます。
また、何段階以上でないと
ダメみたいな話になると、
第5段階(自己変容・相互発達段階)は
存在しえないことになります。
自律型人材じゃなきゃダメだ!
と言っている時点で、
その人は第5段階にはないのです。
だから、何段階にいてもよいです。
その人を尊重するしかありません。
しかし、その段階にいるのが、
嫌だったら、上に上がるしかないのです。
つまり、第2段階にいる人なら、
人のせいにするのをやめて、
自分に原因あることを受け入れて、
周りの人と協力するしかないし、
第3段階にいる人なら、
人に依存するのを辞めて、
自分で考えて自分で決めて
やるしないのです。
そして、第4段階にいる人なら、
自分の正しさを手放して、
相手の目線で相手の考え方を
受け入れてみるしかないのです。
いずれにしても、
本人がどうするか?の問題です。
放っておけばよいと書きましたが、
何もしないのではなく、
定期的に面談をして、
本人が困っているのであれば、
「どうしますか?」と尋ねればいいのです。
本人が、本気で、
困っていて、どうにかしないといけない!
と思っているのであれば、
やむに已まれず、自分が変わる決断します。
それを、周りが解決してあげてしまうから、
自分が変わらず、
上の段階に上がれないのです。
だから、放っておけばよいのです。
ただし、本人が困ったという時に
手を差し伸べることができるように
定期的に面談をすることが必要なんです。
今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
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