先日、部長さんと面談している時に
こんな相談を受けました。
会社に対する不満が多い課長に
どう対応したらよいか?
どういうことか?聞いてみました。
その課長さんは仕事ができる方で、
自分のことだけなら完璧にできています。
だから、できていない部下や
部門としてできていないことが
目についてしまって、
厳しく指摘をするのだそうです。
それはもっともなんですが、
部全体で見ると、
経験が足りないメンバーがいたり、
他部門との調整が必要だったり、
そんなに簡単な話ではありません。
とはいえ、本人はできているので、
言っていることは間違っていない・・・
間違っていないだけに、
どう諭したらよいのか?
という相談でした。
私はルービックキューブの話をしました。
それは、一面をそろえるか?
六面をそろえるか?という話です。
一面をそろえるのは簡単です。
他の面を気にすることなく、
自分の面だけそろえればいいんです。
しかし、六面をそろえるのは
簡単ではありません。
なぜなら、六面をそろえるには、
せっかくそろえた一面を
一度崩さないといけないからです。
一面にこだわっている限り、
六面はそろわないのです。
これを組織に置き換えると、
どういうことか?というと・・・
自分のことを完璧にするのが、
一面をそろえるということです。
会社全体で成果を出すのが、
六面だとすると、
部門なら自分、部下、課全体、部全体の
四面をそろえるということです。
担当者なら
自分のことだけできれば、評価されますが、
課長ともなると
課全体ができなければ、評価されません。
この課長さんは、
自分のことができて「できた」と思っています。
しかし、
課長の仕事としては不十分です。
つまり、「できている」の定義が
部長と課長でズレているのです。
部長が見てほしい面が
課長には見えていない・・・
それが見られないのが、
この課長さんの「壁」になっています。
このことを考える時に参考になるのが、
以前もブログに書いていた
「成人発達理論」です。
成人発達理論では、
人の成長を5段階に定義しています。
仕事ができるので、
一見、この課長さんは、
自分の価値基準を持って
意思決定ができる
第4段階:自己主導段階に見えます。
しかし、実際は
第2段階:道具主義的段階だと思います。
第2段階というのは、
自分中心に物事を考えてしまって、
相手の立場に立って
考えることができない状態です。
上手くいかないことは他責になります。
責められると感情的になります。
経験が足りないメンバーや
調整に苦労している他部門の
立場に立つことなく、
できていないことを指摘する・・・
これは第2段階です。
自分のことだけなら完璧にできる。
しかし、自分のこと以外が見えない。
仕事ができることと
発達段階は別なのです。
ここで思い出すのがピーターの法則です。
「人は無能になるまで出世する」
自分のことが完璧にできたから、
課長に出世しました。
しかし、
課長としては通用していない・・・
ピーターの法則のとおりなら、
出世はここで止まります。
ただ、それは「今の自分」の限界です。
「新しい自分」になれば、
限界を超えられます。
つまり、この課長さんは今、
成長を問われているのです。
その時のカギは、
素直になれるか?です。
担当者として通用してきたやり方が、
課長としては通用していない・・・
その現実を認めて、
自分に足りないものがあるんじゃないか?
と素直に思えるか?です。
人のせいにしているうちは、
自分に足りないものは見えません。
そして、素直になれない限り、
この壁は越えられないし、
その上に行くこともできないのです。
成人発達理論によると、
発達段階というのは、
上がろうとして上がるものではなく、
壁にぶつかって、
やむにやまれず上がるものです。
そう考えると、
今、壁にぶつかっていることこそが、
成長のチャンスです。
だから、部長さんがすることは、
課長を否定することではありません。
ただ、人を変えることはできません。
対話を重ねて、
部長として背景を伝え、
本人に気付いてもらうしかありません。
第2段階の人は、
責められると感情的になるので、
指摘したら反発されるだけです。
本人が変わらざるをえなくなるような
環境を整えることだと思っています。
変わるとしたら、
本人がやむにやまれず変わるのです。
そして、変わらないとしたら、
それは本人の選択なので、
それはそれで尊重するしかありません。
今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
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