未来で起こることは現場で起こっている

最近、ネットのニュースを見ていると
保育園や幼稚園で
コミュニケーション不足などを理由に
保育士や教諭が一斉退職して、
保育園や幼稚園が運営できない
ということが起こっています。

 

堺市では、社会福祉法人の会長が
保育士に対し「コマ」と呼ぶなど、
モノ扱いし、現場に耳を傾けなかったために
12人中10人の保育士が離れていきました。

 

静岡県の焼津市の市立幼稚園でも
職員や保護者とのコミュニケーション不足により
21人のうち13人の教諭が退職するということで、
新たに9人の教諭を採用し継続するそうです。

 

また、同じく静岡県の掛川市の保育園でも
理事長と保育士のコミュニケーション不足により
18人のうち11人の保育士が退職をするということで
新たに11人の保育士を採用し継続していくそうです。

 

コミュニケーション不足によって
大量にスタッフが退職し、事業が継続できなくなる。

 

今は、保育園や幼稚園で起こっていますが、
いずれは他の業種でも起こりうることだと思います。

 

組織のコンサルティングをしていて、
いつも思っていることは、
”未来で起こることは現場で起こっている”
ということです。

 

連日の登場になりますが、
マネジメントの大家ピータードラッカー氏は
このように言っています。

 

「すでに起こったこと」を観察すれば、
そのもたらす未来が見えてくる。

 

ピータードラッカー氏が言っているのは、
予測をしているのではなく、
すでに起こっていることの結果を見たら、
未来に起ることが分かるということです。

 

その典型的なものが人口問題です。

 

現在の20歳の人口は、
20年後の40歳の人口です。

 

それは、予測をするまでもなく
すでに確定しています。

 

ピータードラッカー氏はそれを
「すでに起こった未来」と名づけました。

 

保育園や幼稚園で起こっていることが
いずれ他の業種でも起こります。

 

社員をモノ扱いしている会社から
人が去っていきます。

 

こんな話をすると、
社員をモノ扱いなんてしていないよ!
大切にしているよ!
と言われるかもしれません。

 

それは、最初からモノ扱いなんて
していないと思います。

 

しかし、忙しくなってきて、
コミュニケーションが不足して、
すれ違いが起こったり・・・

 

ちょっとした対立から、
コミュニケーションが億劫になって
話さなくなったり・・・

 

相手の背景を理解する余裕がなくなって
相手を批判したり・・・

 

仲間意識を高めるようとして
その場にいない人の悪口を言ったり・・・

 

無意識のうちに相手を遠ざけて、
面倒くさいモノ、邪魔なモノ、
無関心なモノ、どーでもいいモノ
にしてしまうことがあります。

 

保育園も幼稚園も
いきなり人が辞めたのではなく
小さな問題が起こっていたのだと思います。

 

それを放置した結果、
ここまでの問題になってしまったのだと思います。

 

見たくないものかもしれないし、
認めたくないものかもしれませんが、
「すでに起こった未来」から目を背けずに
問題に向き合って解決していくことが
大事なんだと思います。

 

コミュニケーションが不足しているなら、
まずは増やすしかないのです。

 

今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

 

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