リーダーは行動経済学を学んだ方がいい

先日(2024年3月27日)、
行動経済学の先駆けとして知られる
ダニエル・カーネマン教授が亡くなりました。

 

ダニエル・カーネマン教授は、
行動経済学で、
2002年にノーベル経済学賞を
受賞しました。

 

行動経済学については、
私のブログで何度も紹介してきました。

 

組織コンサルタントの私が
なぜ、経済学についてブログを書くのか?

 

それは、意思決定に影響があるからです。

 

行動経済学が一般的になる前までは、
人は合理的に判断し行動することを
前提に理論が考えられていました。

 

しかし、行動経済学によって、
人は合理的に判断しないことが
学問として証明されました。

 

例えば・・・

 

大谷翔平選手の元通訳の
水原氏がギャンブルにはまって、
輝かしいキャリアを棒に振りました。

 

ギャンブルなんて負けるに決まっているのに
どうしてのめり込むのでしょうか?

 

ギャンブルにのめり込む理由は
いくつもありますが、
行動経済学の「確率加重関数」で
説明できると思います。

 

人間は確率を客観的に判断できない
ということです。

 

人間は確率を歪んで捉えます。

 

低い確率ほど高く見積もり、
高い確率ほど低く見積もります。

 

研究結果によると
確率の「歪み」は次の通りです。

 

「確率加重関数」

0%  → 0%
1%  → 5.5%
2%  → 8.1%
5%  → 13.2%
10% → 18.6%
20% → 26.1%
50% → 42.1%
80% → 60.1%
90% → 71.2%
95% → 79.3%
98% → 87.1%
99% → 91.2%
100% → 100%

 

左側が実際の確率で、
右側が人が感じている確率です。

 

例えば、ギャンブルで
10回やって5回勝ったとします。

 

確率的には50%ですが
感覚的には42.1%に感じるので
実際よりも低く感じます。

 

50% → 42.1%

 

実際の確率よりも
低く感じる賭けに魅力を感じません。

 

逆にギャンブルで、
10回やって1回勝てたとします。

 

確率的には10%ですが、
感覚的には18.6%に感じので、
実際の確率より約2倍高く感じます。

 

10% → 18.6%

 

実際の確率よりも高く感じる方が
魅力的に感じます。

 

ギャンブルにハマると
確率の低い方に賭けようします。

 

当然、確率が低いと当たりませんから
勝てなくなります。

 

つまり、ギャンブルにハマればハマるほど
勝てない賭けをするようになるので、
破滅に向かってまっしぐらという訳です。

 

で、ここからは組織作りの話です。

 

よく、リーダーはメンバーの誰よりも
目標達成を強く信じなければならない
という話があります。

 

だから、
リーダーは、「100%目標達成できる!」
と宣言しなければなりません。

 

これが、もし、
リーダーが「99%は目標達成できる!」
と宣言したらどうでしょう?

 

99% → 91.2%

 

99%は91.2%に感じられるので、
実際よりもメッセージとして弱く伝わります。

 

リーダーが弱気になると、
メンバーへの影響は10倍になって伝わります。

 

だから、リーダーは100%達成できる!
と言い切らないといけないのです。

 

逆に、リーダーが意志決定の時に、
70%ぐらい成功できると思っていたら
どうでしょう?

 

90% → 71.2%

 

70%に感じると言うことは
実際は90%ですから、ほぼ成功します。

 

70%いける!と思ったら、
自信をもって進めればよいのです。

 

行動経済学は
「確率加重関数」以外にもあるのですが、
こういうことを知っておくと、
組織のマネジメントの際に有効です。

 

悪用するのはよくないですが、
リーダーとして行動経済学は知っておいた方が
よいと思います。

 

私が行動経済学について書いたブログを
紹介しておきます。

 

行動経済学って、そんなにすごいんですか?

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それでも、直感を信じますか?

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なぜ、貸したお金は忘れないのに、借りたお金は忘れるのか?

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プロスペクト理論の価値関数の話です。

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興味があったら、読んでみて下さい。

 

今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

 

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