正しくいたいなら間違いを認めなきゃいけない

先日、お客様の会社で
会議に参加した時のことです。

社長さんと社員さんが、
言った、言わないで
もめていました。

社長さんは、
そんな指示はしていない、
と言います。

そこで、議事録を確認すると、
社長さんは、しっかり言っていました。

社長さんは、
私の記憶違いだった、
と社員さんに謝っていました。

みんなの前で認めるのは、
簡単なことではありません。

社長も一人の人間です。

記憶違いをすることもあります。

人は、限られた情報の中でしか
判断ができないからです。

自分の記憶も、
その限られた情報の一つです。

これを「限定合理性」と言います。

ノーベル経済学賞を受賞した
ハーバート・サイモンの考え方です。

人は合理的に判断しようとしても、
知っていることには限りがあります。

だから、完全に正しい判断は
できないということです。

どんなに優秀な人でも、
知らないことがあるのです。

いつも、ブログに書いていますが、
人と人はルービックキューブと同じです。

ルービックキューブには6面ありますが、
人間が一度に見られるのは3面のみです。

残りの3面は裏側にあって見えません。

しかし、必ず、そこに存在しています。

社長さんに見えていたのは、
自分の記憶という面だけでした。

議事録を見て、
自分が指示を出していたという
裏側の面が見えたのです。

裏側の面が見えると、
まったく違った見方が生まれます。

つまり、人は常に
正しくいることはできないのです。

だとしたら、大事なのは、
自分が正しくないと気づいた時です。

その時に、
素直に間違いを認められるかどうか?

ここで、その後が大きく変わります。

間違いを認めれば、
見えていなかった面を取り入れて、
判断をやり直すことができます。

間違いを認めなければ、
半分しか見えていないまま、
間違った判断を続けることになります。

そして、もっと危ないのは、
自分が正しいと思っている時です。

自分が正しいと思っている時は、
見えていない面があることすら
忘れてしまいます。

そんな指示はしていない、と
言った時の社長さんが、
まさにそうでした。

見えている3面がすべてだと
思い込んでいたのです。

間違いを認めたら、
社長の威厳がなくなる、
と思っているかもしれません。

しかし、議事録を見れば、
誰が間違っていたのかは
周りの人にも分かります。

周りは、もう分かっているのです。

それなのに認めなければ、
間違いを認められない社長に
見えてしまいます。

認めない方が、
威厳がなくなるのです。

もし、あの時、社長さんが
間違いを認めていなかったら、
社員さんは次から
何も言わなくなっていたと思います。

言っても聞いてもらえないなら、
言うだけ無駄だと思うからです。

正しさとは、
間違えないことではありません。

間違えた時に、
それを認めて、
正しい方向に戻れることなのです。

正しくいたいなら、
間違いを認めなきゃいけないのです。

今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

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