すでに確定している未来

9月21日の「敬老の日」を前に、
100歳以上の高齢者が、
初めて10万人を超えた、
と発表されました。

その数、
10万7677人。

めでたいニュースかもしれませんが、
私は危機感を覚えました。

厚生労働省によると、
100歳以上の高齢者は、
記録を始めた1963年の時点では、
わずか153人でした。

それが、
1981年に1000人を超えます。

1998年には1万人。

2012年に5万人を突破し、
そして今年、
10万7677人になりました。

前の年より、
7914人も増えています。

こうやって数字を見てみると、
100歳以上の人が
10万人を超える未来は、
突然やってきたわけではない
ことに気づきます。

何十年も前から、
少しずつ、
しかし確実に、
その方向へ進んでいました。

今日の10万人は、
ずっと昔から
決まっていた未来だったのです。

ドラッカーは、
「すでに起こった未来を観察せよ」
という言葉を残しています。

未来を占う必要は
ありません。

もう起きてしまっていて、
あとは表に出てくるのを
待つだけの現象を、
数字の中から
見つければよいのです。

今回の長寿化の数字は、
「すでに起こった未来」
そのものだと思うのです。

同時に、
この長寿化は、
医療や介護をどう支えるのか、
という重い課題も
突きつけています。

そして、
これは国の話だけでは
ありません。

会社の中での
「すでに起こった未来」でもあるのです。

それは、
社員の高齢化です。

若い社員が入ってこない。

これは、裏を返せば、
組織の高齢化が
確実に進む
ということです。

しかも、
人が育つには、時間がかかります。

今日採用しても、
一人前になるまでには、
何年もかかるのです。

つまり、
今、手を打たなければ、
確実に間に合わなくなります。

ベテランが何年後に定年になるかは、
社員名簿を見れば、分かります。

親の介護と仕事の両立に
悩む社員が増えることも、
社員の年齢を見れば予測できます。

これらは、
いつか来るかもしれない
不安ではありません。

今は表面化していなくても、
必ず起こる現実なのです。

しかし、
目の前の仕事が、忙しいのです。

毎日やるべきことは山ほどあって、
それをこなすだけで、一日が終わります。

だから、頭では、
「今、手を付けないと
間に合わない」
と分かっていても、
つい、目の前の仕事を優先してしまうのです。

ベテランが辞めてから、
技術の引き継ぎに困ります。

若手がいなくなってから、
あわてて採用に走ります。

数字はずっと前から教えてくれていたのに、
今に目がいってしまい、
有効な手が打てない・・・

大切なのは、
今の数字から未来を読むことです。

とはいえ、
一人ひとりの心がけだけでは、
日々の忙しさに追われてしまいます。

だからこそ、
会社として、
はっきりと方針を掲げるべきだ、
と思うのです。

「高齢化に備えて、人材育成に力を入れる」

具体的な目標を定めて、
定期的に進捗確認をする。

その時間も惜しいと言われても、
その時間を取らなければ、
目の前のことに流れます。

人が育つには、時間がかかります。

だからこそ、
どんなに忙しかろうが、
少しずつでも、
手をつけていくしかないのです。

10万人という数字は、
遠い昔から少しずつ積み上がってきた
結果です。

同じように、
自社の名簿や採用の数字をみれば、
これから何が起こるかが、
今、はっきりとわかります。

その数字を受け止めて、
人材育成に、どれだけ力を入れるのか。

それができるのは、
経営者しかいないと思うのです。

今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

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