なぜ、政治家はオリンピックをやりたがるのか?

政府はどうやっても
オリンピック・パラリンピックを
開催するようです。

 

批判ばかりするのではなく、
政治家の立場に立って
どうして開催したいのか?
考えてみたいと思います。

 

政治家にとって
オリンピック・パラリンピックを
開催して得られるメリットと
受けるデメリットは何でしょうか?

 

得られるメリットは・・・

 

オリンピックの主催者としての
実績が残ります。

 

名前を残すことができます。

 

開催国の主要メンバーとして、
表舞台に立てます。

 

また、大きな被害もなく開催できれば、
やっぱりやって良かった!ということで
評価も上がるでしょう。

 

それに対して、
受けるデメリットは・・・

 

国民の命や健康、生活を
脅かした政治家として
記憶されることになります。

 

今後、政治家として
表舞台に立てなくなるかも
しれません。

 

選挙で当選することもないかもしれません。
(比例で当選するでしょうが・・・)

 

では、このメリットと
デメリットを比べてみると
どちらが大きいでしょうか?

 

実は、
メリットとデメリットを
単に比べればよい言うものでは
ありません。

 

そこには、
ヒューリスティックスがあります。

 

ヒューリスティックスとは、
先入観や思い込みです。

 

以前も紹介した行動経済学です。

 

2002年にノーベル経済学賞を受賞した
ダニエル・カーネマンと
エイモス・トヴェルスキーは、
ヒューリスティックスについて
以下のように説明しています。

 

ヒューリスティクスは、
確率の評価や価値の見積もりといった
複雑な作業を
単純な判断作業に置き換えるもので、
多くの場合にきわめて有用であるが、
ときに深刻な系統的エラーに
つながることがある。

 

簡単に言うと
直感は役に立つが、ときにやらかす!
という意味です。

 

具体的に考えてみたいと思います。

 

コイントスをやるとします。

 

コインを投げて、
表が出るか?裏が出るか?
というゲームです。

 

次のA~Cのうち
どれなら参加しようと思いますか?

 

A:
表が出たら、10,000円払う
裏が出たら、15,000円もらえる

 

B:
表が出たら、10,000円払う
裏が出たら、20,000円もらえる

 

C:
表が出たら、10,000円払う
裏が出たら、30,000円もらえる

 

Cなら多く人が
チャレンジすると思います。

 

Bも人によっては
チャレンジすると思います。

 

Aも50%の確率で増えるので、
悪くないはずですが、
躊躇する人が多いと思います。

 

行動経済学の実験によると
メリットが
デメリットの1.5倍~2.5倍ないと、
人はチャレンジしないそうです。

 

つまり、人は、
得られるモノより
失われるモノのほうを強く感じます。

 

一般の人にとっては、
オリンピック・パラリンピックで
得られるものと比べて、
失うものがはるかに大きく感じられます。

 

だから、
オリンピック・パラリンピックに
積極的にはなりません。

 

先ほどのコイントスでいう
Aの場合です。

 

それに対して、
政治家は、
失うモノはありますが、
得られモノがはるかに大きく
感じられます。

 

コイントスでいうBかCです。

 

だから、やりたがるのです。

 

ヒューリスティックスは、
脳が反応するものなので
逃れることができません。

 

だから、
オリンピック・パラリンピック開催
に憑りつかれた政治家が
思いとどまることはありません。

 

しかし、政治家の方々が、
見逃していることがあります。

 

それは「後悔」です。

 

あの時、
中止にするという選択があったのに
その選択をしなかったということで
一生、後悔することになります。

 

それは、
中止にしても同じことで、
開催しておけばよかったという
後悔をすることもあります。

 

つまり、
どちらにしても
後悔は避けられません。

 

どうやら、
開催するのは間違いなさそうです。

 

オリンピック・パラリンピックによって
国民の命や健康、生活に大きな被害が出た場合は、
一生、後悔することでしょう・・・

 

でも、それは、
意思決定者として
背負っていかなければならないものです。

 

経営者も同じだと思います。

 

毎日が選択の連続です。

 

正しく選択したくても
ヒューリスティックによって
正しく判断できないのです。

 

それでも、選択を迫られます。

 

経営者が孤独だというのは、
上手くいった時は良いですが、
上手く行かなった時は、
その後悔を一生背負っていくという
ことだと思います。

 

それが、ある意味、
責任を取るということになるのだと
思います。

 

今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

 

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