叱る前に褒める貯金はあるか?

先日、社員さんと面談している時、
社員にどのように注意したらよいのか
わからないという話になりました。

厳しく言わないと、伝わらないし・・・
でも、厳しくしすぎたら、
パワハラと言われてしまうし・・・
一体、どうしたらよいのでしょうか?
という話でした。

これは、多くの管理職の方が
抱えている悩みだと思います。

大事なことは、
ダメなことはダメということだと思います。

ただ、もっと大事なのは、
ダメなことを1つ言うのであれば、
よいことを3つ言うということです。

管理職研修でよくお伝えする
「褒めると叱るは3対1がよい」
という話です。

ロサダ比と呼ばれるものです。

マーシャル・ロサダ氏らが
60部門の会話を観察・記録した
研究があります。

高パフォーマンスの部門は
肯定的な発言が
否定的な発言の約6倍。
一方、低パフォーマンスの部門は0.363と、
むしろネガティブな発言のほうが
多かったのです。

実は、この研究に
3という数字は出てきません。

3対1(厳密には約2.9対1)というのは、
ここを超えると成果が伸び始める
という分岐点として示された数字です。

そこから
「褒めると叱るは3対1がよい」
ということが広まりました。

ところが・・・
この3対1という数字は、
のちにアメリカ心理学会が
正式に否定しています。

そのため、学術的な根拠はない
ということになっていますが、
あながち、外れていないように思います。

人間には、
ネガティビティ・バイアスがあります。

叱られたことは、褒められたことよりも
はるかに強く記憶に残るのです。

一度叱られたことがリセットされるには、
その何倍もの承認が必要になります。

そして、どうしても、
ネガティブな言葉を言わなければ
ならない場面はやってきます。

だからこそ、普段から、
ポジティブな言葉を言っておく必要が
あります。

ポジティブな言葉は、
貯金みたいなものだと思っていて、
いざという時のために、
普段から貯めておく必要があるのです。

冒頭の、パワハラの話に戻ります。

同じ注意をしても、
パワハラと言われるか?
言われないか?は、
普段からの貯金があるかどうかです。

貯金がある上司は、
注意をしても、
ポジティブな言葉が残ります。

貯金がない上司の注意は、
厳しさだけが残ってしまうのです。

人間、不思議なもので、
ポジティブな面を見つけようとすると、
ネガティブな面が見えなくなります。

その逆に、
ネガティブな面を見つけようとすると、
ポジティブな面が見えなくなります。

褒めるのが苦手な人は、
ネガティブな面を見がちになっているので、
ポジティブな言葉をかけるのが、
難しくなっているのだと思います。

そういう人は、
ネガティブな言葉を言う時に、
ポジティブな言葉の貯金がありません。

まずは、自分がどちらのタイプか?
自覚をすることから始まります。

もし、ネガティブな面を見がちなら、
ポジティブな面を見つけようとして、
ポジティブな言葉の貯金をすることから
始めるとよいと思います。

キャッシュがないと経営できないように
ポジティブな言葉の貯金がないと
注意もできないのです。

今日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございます。

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