上司の言うことは聞かなくて良い？

前回、キリンビールの
元副社長の田村さんから
いただいた書籍をご紹介しました。

実は、もう1冊、ありまして、
その書籍はコチラ

負けグセ社員たちを
「戦う集団」に変えるたった1つの方法

https://goo.gl/6v9Pba

この書籍は、
田村さんがキリンビールを
立て直したプロセスを
一橋大学名誉教授の野中郁次郎先生の
「知識創造理論」の観点で
解き明かしている本です。

前作が東洋思想の観点で
書かれているの対し、
コチラは経営学的に書かれています。

そういう比較で読んでみるのも
面白いと思います。

この本で印象に残ったのは、

本社から指示に必ずしも従わなかった

という話です。

田村さんは本社の指示を
次の３つに分けたそうです。

①棚上げする
「無視する」ということです。

②受け流す
「適当にやっておく」ということです。

③徹底してやる
これは文字通り
「徹底してやる」ということです。

こんなんでいいのかな？
と思います。

業務命令にならないのでしょうか？

本の中で分かりやすい事例が
紹介されていました。

『淡麗グリーンラベル』
という商品があります。

本社は、エコロジーや環境への対応
の関心の高まっていたことから
「自然派の発泡酒」としての
キャンペーンで売り出しました。

しかし、高知は森林面積の割合が
約83％と日本一高い土地。

都会の人には魅力的でも
高知の人たちには響かないと判断。

一方、高知の人はお酒好きで
健康に気をつけている人も多い・・・

そこで、「糖質70％オフ」を
前面に打ち出しました。

その結果は・・・・

高知支店は
『淡麗グリーンラベル』の
一人当たりの売上が全国平均の2倍
ダントツで全社１位！

結果は別として、
田村さんはどうして
こんな思い切った手を打てるのでしょうか？

これは、
『トリプルループ』の話です。

ものごとを考えるにあたって
３つのレベルがあります。

①シングルループ
物事に「適切に取り組んで」いるか？
「方法の適切さ」について考えます。

本社の指示に従い、ちゃんと
『淡麗グリーンラベル』を売っているか？

つまり、
言われたとおりにやっているか？
ということです。

②ダブルループ
「適切な物事」に取り組んでいるか？
「目的・目標の適切さ」について考えます。

本社の指示に従い、いかにして
「自然派の発泡酒」として売り出すか？

つまり、
言われたことを工夫しているか？
ということです。

③トリプルループ
何が適切で、何が適切でないかについて、
「どのように判断している」のか？
「目的・目標設定の信念・価値観など」
について考えます。

本社はそう言っているけど、
「自然派の発泡酒」なんかで売れるかな？

つまり、
本社の言われた通りにしても、
お客様が喜んでくれるかな？
ということです。

トリプルループで考えるというのは、
本社の指示の上にある「理念」に
もとづいて考えるということです。

まさに
「上司を見るな！理念を見ろ！」です。

田村さんが
こんな思い切った手を打てたのは、
「理念」を見ているからです。

当然のことですが、
本社も「理念」を見ています。

「理念」にもとづき、
多くの方に商品を届けるために
キャンペーンを売っています。

しかし、
「理念」を実現しようとしたときに、
そのままでは上手く行かない時が
あります。

この時に、
「理念」をもとに考えるのです。

そして、
「理念」を実現するための
行動をしているのです。

だから、それでいいのです。

これは、単に上司の言うことを
聞かなくて良いということ
ではありません。

「理念」が浸透しているからこそ
可能になることだと思います。

だから、
上司の言うことを聞かなければ
いけない訳でもないし、
上司の言うことをきかなくても
よい訳でもありません。

ようは、
「理念」が浸透しているのか？
という話なんだと思います。

今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

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