時間がない組織は人を外すしかなくなる

昨日は、富士山登山トレーニングの
4回目として「日向山」に行ってきました。

「日向山」は山梨県北杜市にある
標高1660mの山です。
「天空の白浜」とも呼ばれていて、
頂上には白い砂浜のような絶景が
広がっています。

それほど難易度が高くない山ですが、
登り始めに段差が大きい岩場があり、
ここで体力を消耗します。

山登りは最初の30分が大事と
言われていて、
最初に体力を消耗すると
その後にじわじわと響いてきます。

今回、私が参加したチームに
年配の足元が少し覚束ない方がいました。

案の定、最初の30分で
体力を使い果たし、
列の真ん中にいたのに
みるみる遅れ出して
列から離れていきました。

列の最後には添乗員がいるので
付き添ってもらえて
安全面の心配はありませんが、
隊列全体がどんどん伸び切っていきます。

さて、どうしたものか・・・

ここで思い出したのが
TOC(制約理論)に出てくる
「ハービー」という存在です。

これは、小説「ザ・ゴール」の中で
ゴールドラット博士が語っている
たとえ話です。

ボーイスカウトの少年たちが
一本道を一列になって歩いていきます。

その中に、体力がなく
歩くのが一番遅い少年(ハービー)がいます。

ハービーの位置を
列の中で変えられないなら、
ハービーの歩く速さに
他の少年たちが合わせることで、
全体としては一番スムーズに
歩いていけるという考え方です。

そのためには、
ハービーと先頭の少年の間を
少し長めのロープでつないでおきます。


なぜ長めかというと、
ハービー以外の少年も
つまずいたり、立ち止まったりすることが
あるからです。


もし、ハービーより前を歩く少年が
立ち止まってしまったら、
ハービーまで一緒に止まることになります。


常に全力で歩いている
ハービーが一度立ち止まると、
その遅れは二度と取り戻せません。


一方で、他の少年たちは
立ち止まることがあっても、
ハービーより速く歩けるので
遅れをすぐに取り戻せます。


この仕組みを支えているのが
「保護能力」と「バッファー」です。

「保護能力」とは、
何かトラブルが起きても
すぐにリカバリーできるよう、
ハービー以外が持っている
能力的なゆとりのことです。

「バッファー」とは、
ハービーが止まってしまうことを
防ぐための時間的なゆとりのことです。

つまり、「保護能力」や「バッファー」は、
能力的な余裕と時間的な余裕が
あるからこそ機能するものです。

この余裕が十分にあれば、
ハービーを外すことなく、
一緒にゴールすることができます。

さて、日向山での話に戻ります。

最初は、この方(以下、ハービーさん)を
列の一番前にして登ってみました。

先頭には登山ガイドがいるので、
上手くペースを作れると思ったのです。
(保護能力を機能させました)

しかし、ハービーさんのペースが遅すぎて
全体のペースがあまりにも遅くなってしまい、
このままでは時間通りに
下山できないことが分かりました。
(バッファーもダメでした)

そこで、添乗員の方に
ハービーさんをお任せして、
私たちは先に頂上に向かいました。

そして、頂上に登ったあと
来た道を戻って下山するときに、
ハービーさんには登頂をあきらめてもらい、
一緒に下山しました。

ハービーさんのペースに合わせて
全員で登ることも大事な考え方です。

しかし、そうすると
全員が登頂できなくなってしまいます。

時間に限りがあった今回は、
ハービーさんには外れてもらうしか
ありませんでした。

これは、組織でも起こり得ることだと
思います。

人ができるようになるためには、
時間がかかります。

時間があるなら、
じっくり育てることができます。

でも、時間がなければ、
外すという選択肢しか
残らなくなってしまいます。

時間的な余裕がない組織は、
育てることができないまま
人を外し続けることになります。

それは、じわじわと
組織の衰退につながっていきます。

だからこそ、
人を育てるための
時間的な余裕をどう作るか。

それを意識して
事業計画を立てられる組織が、
長く生き残っていけるのだと
思っています。

今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

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