先日、お客様の社長さんから
こんな相談を受けました。
社員からボロクソに言われて
腹が立ってしょうがないのですが
これって我慢しないといけないのですか?
感情はコントロールできないので、
腹が立つのは仕方がないと思います。
ただ、気になるのは、
ボロクソの中身です。
お話を伺うと、
社長の判断は間違ってばかりだと
言われたのだそうです。
なるほど・・・
社員のためを思って
判断したことを
このように言われてしまうと、
立つ瀬がありません。
私から見ても、
気の毒に思います。
その一方で、
社員さんがそのように言うには
理由があると思うのです。
そこで、社長さんに、
思い当たる節がないか?聞いてみました。
すると、売上を上げるために、
難しい仕事をあえて受注して、
社員に負担をかけたことが
過去に数回あったそうです。
そのたびに、
顧客の無理な要望に応えるために、
社員さんは遅くまで仕事をすることに
なったそうです。
そう考えると、社員が、
社長の判断は間違ってばかりだと
言いたくなるのも、
無理はないように思います。
ところが、社長にすると、
その穴埋めをするために、
粗利の高い仕事も取ってきている
ではないか?
ということでした。
それは、会社全体で見た話です。
社員からすると、
そこまで考えていないので、
大変だった仕事の記憶しかありません。
目の前の仕事で手いっぱいの社員に
経営者の視点を求めるのは
酷な話だと思うのです。
経営者と社員では、
役割が違っていて、
見ている範囲が違います。
それは、良い悪いではなく、
役割の違いです。
だから、
社員に負担をかけるとわかっていながら、
それでも会社のために
受注しなければならなかった
社長の気持ちが、
社員にわからないのは当然なのです。
正直、土俵が違うのです。
だからといって、
社員の言葉をすべて聞き流せばいい
というわけではありません。
ここで大事なのは、
社員の言葉を
事実と評価に分けて聞くことです。
大変だった、という事実は
しっかり受け止める必要があります。
しかし、
判断が間違っているという評価は、
経営的な視点がないまま
出てきた言葉です。
社長さんは、
その評価の部分まで
まともに受け取りすぎているのです。
そこに、
腹を立てても仕方がないのです。
それよりも、
無理な仕事でも、文句を言いながら
最後までやり切ってくれる
社員には感謝しかないように思います。
社長さんも、
本当は感謝しているのだと思います。
ところが、
その感謝を口にしようとしません。
ボロクソに言われて、
腹が立っているからです。
一方、社員さんも、
同業他社がつぶれていく中で
経営を続けている社長のことを、
本当はすごいと思っているのです。
それなのに、そのことは口にせず、
大変だったという気持ちを、
文句という形でしか出せていません。
その結果、
社長は「社員がわかってくれない」、
社員は「社長がわかってくれない」と
思ってしまうのです。
第三者から見ると、
お互いの思いを
ちゃんと話せばいいのに、と感じます。
しかし、お互い頑固なので、
話そうとしない・・・
心の底では、
お互いに感謝や尊敬の念はあっても、
相手の言い分を認めてしまったら、
自分の正当性がなくなってしまう
と考えているのだと思います。
だから、本音が言えないのです。
本音を言えば、
自分の正当性を守ろうとして
ぶつかってしまう・・・
ぶつかれば、
関係が壊れてしまうかもしれない・・・
それが怖くて、
ちゃんと向き合えないのです。
でも、このまま向き合わずにいれば、
いずれ本当に関係が壊れてしまいます。
壊れるのが怖くて向き合わないことが、
かえって関係を壊していくのです。
「わかってくれない」というのは、
相手が変わるのを
待っているということです。
お互いが相手を待っているから、
いつまでも平行線のままなのです。
いつも、ブログに書いていますが、
人は変えられません。
変えられるのは自分だけです。
社員との関係性を変えたいのであれば、
会社全体が見えている
社長さんから変わるしかありません。
まずは、
大変だったという事実を認めて、
やり切ってくれたことに感謝を伝える。
そのうえで、
なぜ、あの仕事を受けたのか?
その穴埋めに何をしてきたのか?
判断の背景を伝える。
負担をかけたことを認めることで、
社員さんも、社長の思いを
受け止められるようになるのです。
我慢するか、しないか。
その二択ではなく、
自分から思いを伝えるという
3つ目の選択肢があると思うのです。
今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
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