藤井竜王はなぜ強いのか?

将棋の藤井聡太竜王が
渡辺明王将に勝利して、
史上4人目となる五冠を
最年少19歳6カ月で達成しました。

 

藤井竜王5冠達成会見 手を大きく広げ
https://abema.tv/video/episode/89-93_s10_p12350

 

シリーズ4勝0敗のストレートで
王将奪取に成功しました。

 

桁違いの強さです。

 

将棋についてはあまり詳しくは
ありませんが、
先を読んで手を打ちます。

 

普通、どうでしょうか?

 

私なんかは、
2手先、3手先を読むだけで
一杯一杯です。

 

それ以上考えても仕方ないので
とりあえず、先に進める感じです。

 

それに対して、
プロの棋士は、何十手先まで読んで
手を打つのだそうです。

 

つまり、頭の中で、
何百通りの未来を描いて、
その中で、最良の一手を打ちます。

 

その一手が最良かどうかは
何十手先にならないと分からないのですが、
とにかく、頭の中で、
深く考えて、一手を打つのです。

 

私なんかがこれをやろうとすると
途端に頭が動かくなくなります。

 

正直、考えるのが面倒になります。

 

実は、この面倒になることが、
人の選択を誤らせます。

 

人には二種類の思考があります。
「早い思考」と「遅い思考」です。

 

行動経済学では
「早い思考」を「システム1」
「遅い思考」を「システム2」
と呼んでいます。

 

通常、人は「システム1」で
思考しています。

 

よーく考える場合に
「システム2」に切り替わります。

 

説明しても、
「ふ~ん」という程度だと思うので、
「システム1」と「システム2」を
体験していただきたいと思います。

 

次の問題を考えてみてください。

 

バットとボールは合わせて1100円です。
バットはボールより1000円高いです。
ボールはいくらでしょう?

 

100円?

 

そうだと思った方・・・

 

「システム1」で回答しています。

 

ボールが100円なら
バットはボールより1000円高いので
1100円となります。

 

バットが1100円なら
バットとボールの合計金額は
1200円になってしまいます。

 

バットとボールは合わせて1100円です。

 

だから、
ボールは100円ではありません。

 

パッと思いついた答えが
必ずしも正しくないという証明です。

 

正解は50円です。

 

計算式で示します。

 

ボールをX円とすると、
バットは(X+1000)円となります。

 

だから
X+(X+1000)=1100円
2X+1000=1100
2X=100
X=50

 

ボールが50円で
バットが1050円という訳です。

 

50円と答えた人は
「システム2」を使っていた
のだと思います。

 

この問題は、
ノーベル経済学賞と受賞した
ダニエル・カーネマンの著書
ファスト&スローに書かれている例題です。

 

有名な問題ですし、
私のブログで何度か取り上げているので
初めてではないかもしれません。

 

このように正解を導くためには、
「システム2」を使って考える
必要があります。

 

しかし、
実際にバットとボールの問題を解いて
体験いただいたように、
「システム2」が起動する前に
「システム1」が答えを出します。

 

これが「直感」です。

 

人間の脳は、常に、
エネルギーをセーブしようとするので、
「システム2」で消耗しないように
「システム1」が機能します。

 

つまり、
「システム1」が機能して
直感的に答えを出そうとします。

 

しかし、残念ながら、
「システム1」は、よく考えていないので、
今回の問題のように間違えます。

 

つまり、
直感で答えると間違えます。

 

とは言え、結構、直感が当たる!
という人もいると思います。

 

これは、どういうことか?
というと・・・

 

仮説だそうですが、
「システム2」で長時間集中して
頭を動かしていると、
「システム2」のパターンが
「システム1」に移っていくのだそうです。

 

棋士の脳から「直感思考」を解明へ
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/0708/03/news094.html

 

つまり、「システム1」でも、
「システム2」で考えた同じ答えを
出せるようになるそうです。

 

将棋の戦いは2日間という
長期戦です。

 

常に「システム2」を機能させるのには
無理があります。

 

だから、「システム1」でも、
「システム2」の思考ができる方が
勝つのです。

 

おそらく、藤井竜王は、
すさまじい訓練によって、
「システム1」でも、
「システム2」の思考ができるように
なっているのだと思います。

 

経営判断も同じだと思います。

 

悩んで悩んで悩み続ける中で
「システム2」が鍛えられて、
「システム1」に移ることで、
適切な判断ができるようになるのです。

 

つまり、
誰よりも真剣に悩んでいるから、
経営者が直感で判断できるのであって
それを他の人に求めてもできないのです。

 

そういう意味では、
経営幹部を育てるという時に
いかに「システム2」の思考を使って
判断する機会を増やすか?
が大事になってきます。

 

結局のところ、
最初からできないのは当たり前の話で、
やりながらでないと学べない
ということなんだと思います。

 

今日も最後まで読んでいただいて
ありがとうございます。

 

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