Ghosn has gone

5月28日、
日産自動車が決算報告をしました。

純損益が6712億円の赤字だそうです。

それにしてもスゴイ赤字です。

こんな赤字でもつぶれないのだから
大企業はすごいですね！

実は、日産にとって、
ここまでの赤字は初めてのこと
ではありません。

2000年3月に
6843億円の赤字を計上しました。

この時、
登場したのがゴーンさんです。

「さん」呼びすべきか分かりませんが、
違和感があるので「さん」呼びします。

ゴーンさんは、
日産をV字回復させました。

しかし、その後、
経営者が、ゴーンさんから
日本人になった途端に
業績が悪化しています。

【日産の連結営業利益の推移】

2015年度　7,933億円（ゴーンさん）

2016年度　7,422億円（ゴーンさん）

2017年度　5,748億円（ゴーンさん）

2018年度　3,182億円（西川さん）

2019年度　850億円（内田さん）

財務・業績ハイライト
https://www.nissan-global.com/JP/IR/INDIVIDUAL/RESULTS/

これだけ業績の差を見せられると
ゴーンさんの経営者としての
手腕は認めざるを得ません。

ゴーンさんと
日本人経営者の違いは何でしょうか？

私は本で読んでいる程度なので
憶測でお話するのをお許しください。

ゴーンさんが
最初にやったことは
日産リバイバル・プランの策定です。

その作成のために集めたのが
クロス・ファンクショナル・チーム
です。

クロス・ファンクショナル・チーム
というのは、
部署や役職に関係系なく、
横断的に優秀な人材を集めた
チームのことです。

クロス・ファンクショナル・チーム
が機能することによって
日産はV字回復を果たしました。

通常は、
クロス・ファンクショナル・チーム
みたいな組織は機能しません。

なぜなら、
優秀な人を集めてもチームとして
機能しないからです。

では、なぜ、日産では、
クロス・ファンクショナル・チーム
が機能したのでしょうか？

それは、
ゴーンさんが、
クロス・ファンクショナル・チームを
直轄にして、周りに躊躇なく
やるべきことをやらせたからです。

それによって、
国内５工場の閉鎖され、
２万人超の従業員が辞めさせられ、
サニーもブルーバードも姿を消しました・・・

こんなこと、
日産自動車に長年勤めてきた人に
できるでしょうか？

難しいと思います。

法律を破ってでも、
日本から逃亡するような
ゴーンさんのような人だから、
これだけの改革ができたのだと思います。

そう考えると、
普通の人には改革はできないのです。

このコロナ禍で経営が立ち行かなくなり
社員を雇い続けるのか？
それとも、辞めてもらうのか？

そういう相談をいただくことがあります。

しかし、これに正解はありません。

先月、ブログの師匠
板坂裕治郎さんが主宰する
ZOOMの情報交換会で、

東日本大震災を経験した
医療機関専門財務屋の宍戸さんが
こんなことを言っていました。

東日本大震災の時に
社員を解雇せずに雇い続けた会社は
復興とともに社員が力になってくれて
大きく成長した。

 

こういう時こそ社員を守るべきだ！

医療機関専門財務屋の宍戸さんのブログ
https://ameblo.jp/shishidoyuuki/entry-12515072856.html

宍戸さん自身、
東日本大震災の時に
クライアントを一緒に支えてきたから
言える言葉だと思いました。

私は、祖父とケンカをして
会社から飛び出して、
会社を潰した人間なので、

宍戸さんの話を聞いた時に
言葉が見つかりませんでした。

さて・・・

社員を雇い続けることで
将来の会社の成長に力になってもらうのか？

それとも、社員に辞めてもらって
身軽になって会社を立て直すのか？

コンサルタントとして、
答えを出さなければならないとするなら

それは・・・

結局、経営者の強みと
ビジネスモデルの問題だと思うのです。

つまり、
経営者の強みを活かした
立て直し方をすべきだと思うのです。

あのやり方は、
ゴーンさんだからできたのです。

先日、トヨタは、
豊田章夫さんの強みを活かしたやり方で
この危機を乗り越えると宣言しました。

ゴーンさんがいない日産は
どのような立て直しをするのでしょうか？

今の日産には、
どのような強みはあって、

その強みを活かしたやり方は
何なんでしょうか？

日産リバイバル・プランを
再びやっても上手く行かないと思うのです。

ゴーンさんはもういないのですから・・・

今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

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