ビックモーターをどう立て直すか？

伊藤忠商事が、
ビックモーターから事業を移管した会社
「WECARS（ウィーカーズ）」を設立しました。

ビックモーターは
車にわざと傷をつけて保険金を
だまし取ったり、
道路から店舗の見通しをよくするために
街路樹を伐採したり、枯らしたり、
やりたい放題の会社でした。

伊藤忠商事は、
新会社への移管に際し
そんなやりたい放題してきた社員も含めて
4000人の従業員を引き継いだそうです。

この会社をどうやって立て直すのでしょうか？

非常に興味があります。

私は組織コンサルタントですから、
自分ならどうやって立て直すか？
を考えます。

私なら、まず、
組織を立て直したいと思うメンバーを
集めます。

おそらく、今まで不正をやってきて、
それを良くないと思いながら
声を上げられなかった人がいる
と思うのです。

そういう人たちを中心に
組織を立て直してもらいます。

その際、今までの肩書とか関係なく
本気で立て直したい人を集めます。

不祥事だらけの会社です。

今までのやり方を
大きく変えなければなりません。

だから、
変化に前向きの人を集めます。

そして、その人たちで、
新しい会社の「ビジョン」を作ります。

「ビジョン」というのは、
どうなっていたら良いのか？
という状態のことです。

今まで、
正しいことができなかった人たちですから、
正しいことを目指すはずです。

新たに就任した田中社長は
記者会見で、

従業員が、家族にも知人にも、
自分がやっていることを
胸を張れるような会社にしていきたい

と言っていましたが、
こんな感じになると思います。

共感されるビジョンを作るのは
そんな難しくないと思います。

次に「ミッション」を定めます。

「ミッション」は使命ですので、
存在意義です。

何のためにこの会社が存在しているのか？

存在理由です。

これだけの不祥事があった会社です。

なくなってしまったほうが良いのかも
しれません。

それでも、残すとしたら、
いったい、どんな目的なのか？

ミッションを作るのは、
ちょっと難しいと思います。

私が作るなら、
自らが悪くしてしまった
中古車販売事業のイメージを回復する
ということでしょうかね？

どの口で言うか！という
批判はあるかもしれませんが、
これしかないように思います。

そして、最後は「バリュー」です。

「バリュー」というのは、
正確には、Shared valueと言って
共有された価値観です。

これは、真っ当な商売をする
ということでしょうか？

これだけ、信頼を失っていますから、
Ｖ字回復を狙うよりも
真っ当な商売をして
お客様に必要だと思われるような
仕事をすることだと思います。

ビジョン、ミッション、バリューが決まれば、
あとはこれに従ってやるだけですが、
従来のやり方が染みつている社員達が
どこまでやり方を変えられるか？

それが問題だと思います。

おそらく、すぐには変われないので、
いくつか問題が起こると思います。

その時に、冒頭にも書いた
本当に立て直したいと思っているメンバーが
正しく仕事をしよう！
と言えるかどうかにかかっています。

そのためには、
「バリュー」をどれだけ意識させることが
できるのか？
ということだと思います。

つまり、社員同士で、
「バリュー」についてフィードバックできる
環境を整えることが必要です。

でも、それができなかったから
こうなってしまったのです。

だから、変えるべきは、
この部分です。

ここを変えられるか？は、
ミッションを理解できているか？
にかかっています。

変われないなら、
存在意義はありません。

何のために会社が残ったのか？

これを社員一人ひとりが
自分の言葉で言えるようになることが
大事だと思います。

そのためには、
何度もただ唱えるのではなく
自分の頭で考えて表現する時間を
作ることが必要だと思います。

でも、そういう時間って、
売上にも利益にもすぐに結びつきません。

それでも、その時間をちゃんと取れるか？

人が変わることにコストをかけられるか？

それが、立て直すための鍵になると
思います。

今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

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