先日、お客様の管理職の方と
面談をしている時に
こんな相談をいただきました。
みんな、わからないことがあると
私に聞いてくるのです。たしかに、この会社の中では
一番長く働いているし、
知ってることも多いですけど、私だって何でも知っているわけでは
ありません。みんなの対応しているだけで
一日の仕事が終わってします。どうしたらよいでしょうか？
わからないことがあると
考えたり調べるのは面倒です。
聞いたら答えてくれる人がいたら
それは、聞きますよね！
便利ですから・・・
しかも、この管理職の方は
会社で一番長く働いていて
信頼されている方ですから
その人の答えであれば、
間違いありません。
それは、
みんなから頼りにされます。
頼りにされると、
管理職として役割を果たしている
実感があるから
管理職の方もついつい答えてしまう・・・
こうして
聞く方と聞かれる方の関係が
できあがります。
こういうのを「構造」と言います。
今回の相談を解決するには、
この「構造」を壊す必要があります。
では、どうすればよいのか？
というと・・・
聞かれても答えなければよいのです。
ただ、実際、
答えないのは難しいと思います。
なぜなら、
みんな、仕事がわからないので
答えないと仕事が滞るからです。
仕事が滞るのは困るので、
結局、管理職の方が答えてしまう・・・
「構造」というのは
時間をかけてでき上がっているので
そう簡単には壊れません。
では、どうしたら
「構造」を壊せるのか？というと・・・
別の「構造」を作れば良いのです。
管理職の方に聞かずに
仕事ができるようにするためには
どんな「構造」を作れば
よいのでしょうか？
それは・・・
「マニュアル」です。
「マニュアル」で
すべてが解決するわけではありませんが、
同じようなことを聞かれることは、
防げると思います。
そこでマニュアルを作ろう！
という話になるのですが、
これがまた、難しいと思うのです。
なぜなら、
マニュアルを作れるような人は、
この職場にいないのではないか？
と思うのです。
なぜなら、マニュアルを作れる人がいれば、
すでに作っているはずだからです。
マニュアルがないということは、
作れる人がいないのです。
これまた、
どうしたらよいのでしょうか？
それは・・・
今いるメンバーで
なんとかするしかないのです。
結局、個人も組織も
できることしかできません。
今いるメンバーで
成果を上げようとする時に
大事なことは、それぞれのメンバーの
強みを活かすということです。
マニュアルの完成のイメージが上手な人
ヒヤリングが上手な人
絵を描くのが上手な人
パソコンの操作が上手い人
文章にするのが上手い人
人の強みは、
その人の得意なところです。
得意なことは好きなことです。
人は好きなことはやります。
ただ、好き勝手にやったら
バラバラになるので、
そこには、ビジョンが必然です。
ビジョンを描いて、
完成までのステップを共有して
そのステップごとに
それぞれ、強みを持った人に
役割を与えて、
強みを発揮してもらうことで
ビジョンを達成する。
ずいぶん遠回りのような気が
すると思います。
一人でやったほうが早いと
思われるかもしれません。
しかし、
これこそ「構造」を変える
ということです。
今回はマニュアルの話ですが、
トップダウンをボトムアップに
変えるのも、同じ話です。
今まで、一人でやってきたから
一人しかできないのです。
みんなでやろうとすると
「構造」を変える必要があります。
「構造」を変えるのは
面倒だったり、不安があったり、
リスクもあります。
「構造」を変えようとすると
谷をくぐるような感覚になります。
しかし、「構造」を変えない限り
問題は解決しないのです。
「構造」を変えるには覚悟がいります。
だからこそ、
谷の底を支えたいと思いますし、
谷の底を支えるが
私の仕事だと思っています。
今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
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