先日、栃木県の新鹿沼駅付近で、
線路の除草作業中の作業員が
特急列車と接触し、
4人が亡くなるという
痛ましい事故が起こりました。
亡くなられた方々のご冥福を
心からお祈りいたします。
東武鉄道の中間報告書から、
当日の状況を振り返ってみます。
この日、本来の現場責任者は、
3日前に責任者に指名されたばかりでした。
現場には、その上司もいました。
夜勤明けの非番で、
本来、その場にいるはずのない人でした。
現場責任者は、
経験が豊富な上司に
「自然と委ねてしまった」
と話しています。
こうして、上司が
作業の指揮をとることになりました。
そして、事故の約5分前、
列車見張員が上司に
「列車到着3分前」と伝えます。
本当は5分前でしたが、
時間が短いことを強調するために
あえて「3分前」と伝えたそうです。
しかし、
上司は、ホーム下の線路内を
進むように指示しました。
見張員は、
「意見を述べると怒られると思った」
作業員は、
「余計な事を言うと、もめごとになると思った」
と話しています。
誰も声を上げないまま、
作業は続けられました。
ニュースの記事では、
「ものの言いづらい
作業環境になっていたとしたら、
組織の管理体制にも問題がある」と
心理的安全性の重要性が
指摘されていました。
たしかに、その通りだと思います。
ただ、
心理的安全性が大事だと言っても、
それだけで心理的安全性が
高まることはありません。
心理的安全性は「関係性」です。
関係性は、
直接、高めようとしても
高まりません。
「何でも言っていいよ」と言われても、
相手が上司で、経験も豊富なら、
言えないのが普通です。
実際、今回の事故で
見張員が言えなかったのは、
上司が怖い人だったからでは
ないようです。
上司を知る人は、
「真面目な人で、
怒鳴ったりするような人ではない」
と話しています。
つまり、
怖い人だったから
言えなかったのではなく、
上下関係の中で
仕事をしていたから言えなかった
のだと思うのです。
関係性で仕事をすると、
「誰が言ったか?」で物事が決まります。
経験のある人が言ったから従う・・・
上の人の指示だから従う・・・
そうなると、
「何のために?」が抜け落ちます。
いつも、ブログに書いていますが、
組織は、
人材力×組織力×関係力
で成果が生まれます。
関係力を上げたければ、
その1つ前の組織力を
上げる必要があります。
組織力とは、
目的や目標、役割などを
明確にして機能させることです。
今回で言えば、
まず、「安全はすべてに優先する」
という目的をはっきりさせることです。
次に、役割を明確にすることです。
見張員は、
列車の接近を知らせて、
作業員の安全を守るのが役割です。
現場責任者は、
現場の指揮をとるのが役割です。
そして、
目的に応じて、
その役割を果たすことを、
上下関係に関係なく優先することです。
そうすれば、
見張員が「待避してください」と言うのは、
上司への意見ではありません。
役割です。
役割を果たしているだけなら、
怒られるかどうか?
もめごとになるかどうか?
を考える必要はありません。
逆に言えば、
役割を果たすことより
上下関係が優先されるとしたら、
それは、関係性で
仕事をしているということです。
関係性で仕事をしてはいけないのです。
組織力が土台にあって、
はじめて関係性が機能します。
組織力が高いからこそ、
関係性を気にせずに
言うべきことが言えるのです。
心理的安全性は、
組織力が機能した結果として
生まれるものだと思うのです。
今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございます。
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